大韓医師協会会長が裁判長の写真をさらして「この女、正気ですか?」と批判…昌原地裁が「極めて不適切」と抗議

 大韓医師協会(医協)の林賢沢(イム・ヒョンテク)会長が、ある医師に有罪を言い渡した判事について「正気なのか」とコメントし、これに対して裁判所が「極めて不適切な行動」だとする立場を明らかにした。

 昌原地裁は10日に声明を発表して「きのう(9日)、当該協会長(林会長)が刑事判決を行った裁判官の写真と人身攻撃的な文章をソーシャルメディア(SNS=交流サイト)に載せたことは、裁判長の人格に対する深刻な侮辱」だとし「司法府の独立と裁判に対する国民の信頼を大きく毀損(きそん)しかねない極めて不適切な行動で、これに対し深く遺憾を表明する」と述べた。

 最近、昌原地裁刑事3-2部(裁判長:尹敏〈ユン・ミン〉部長判事)は、業務上過失致傷で起訴された60代の医師A被告に対する控訴審裁判で、一審と同じく禁固10カ月・執行猶予2年を言い渡した。

 林会長は、A被告に対する控訴審判決が出た後、判事の顔が載った写真をソーシャルメディアに掲載し「患者を治療した医師に、結果が悪いからと禁固10カ月に執行猶予2年? 昌原地裁判事『尹敏』、この女、正気ですか?」と書き込んだ。その上で「この女(尹判事)と家族が病院・医院に来たとき、病気の種類とは無関係に、医師の良心ではなく必ず『審評院(健康保険審査評価院)審査規程』にのっとって治療してやってほしい」とつづった。

 林会長が裁判所の判決を非難するのは、今回が初めてではない。林会長は、医学部定員増を巡って韓国政府と対立を繰り広げる中、医師免許停止3カ月の処分を停止してほしいという申請がソウル行政裁判所で棄却されると「自ら政府のプードル役として振る舞うキム・スンウォン判事は今すぐ法服を脱いで政治に乗り出せ」「司法府の判事である者が自ら保健福祉部(省に相当)の手下になることに対し、怒りを通り越して失笑が出る」と言ったことがある。

ホン・インソク記者

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  • ▲大韓医師協会の林賢沢会長が9日午後、ソウル市竜山区の大韓医師協会で開かれた医療壟断(ろうだん、利益を独占すること)阻止全国医師代表者会議で闘争宣言を行っているところ。/ニュース1

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