9人死亡・4人負傷事故の逆走車、駐車場出た時から90%のスピードで走っていた /ソウル

 9人が死亡し、6人が負傷したソウル市庁駅近くの逆走車による事故を捜査中の警察は「運転していた男(68)を交通事故処理特例法違反容疑で立件し、捜査しているところだ」と2日に発表した。1日夜の事故直後のアルコール検査や薬物簡易検査で陰性だった男は、本紙の電話取材や警察の事情聴取に「急発進のために事故が起きた」と主張している。しかし、ソウル南大門警察署は「急発進の根拠は現在まで容疑者の供述だけだ」として、韓国国立科学捜査研究院に男の車の鑑識を依頼した。警察関係者は「男の車のイベントデータレコーダー(EDR=車載事故記録装置)に残っていた電子記録を見ると、事故直前にアクセルペダルを90%以上の強さで踏んでいたと思われる」と語った。

【Photo】葬儀場前を歩く犠牲者の遺族たち

 警察によると、1日夜9時26分ごろ、男が運転していた現代自動車製乗用車「ジェネシスG80」(2018年式)は市庁駅近くのウェスティン朝鮮ホテルの地下駐車場から出た後、一方通行の4車線道路を逆走し、左側の歩道に突っこんだという。車は歩道に設置されたガードレールを突き破って歩行者11人を襲った。その後、他の車2台に次々と衝突してようやく止まった。逆走した距離は約200メートルだった。死傷者の相当数が現場近くで会食した後や、仕事を終えて帰宅中に事故にあった。死亡者は全員30-50代の男性会社員だった。銀行員4人は同僚の昇進と人事発令を祝う夕食会を終えた後、歩道にいて犠牲になった。

 警察は目撃者の証言や事故地点の防犯カメラ映像、事故車のドライブレコーダーとEDRを基に、男の過失や車の欠陥などさまざまな可能性を念頭に置いて事故原因を調べている。特にEDR分析は事故当時の車の走行速度を判断する重要な証拠となる。警察関係者は「EDRのデータだけでは急発進の可能性を排除できないため、国立科学捜査研究院の精密な鑑識結果を待つ」と語った。警察は男に対して拘束令状を申請することも検討している。男は京畿道安山市内のあるバス会社に勤めている運転手だ。1974年にバス免許を取得し、バスやトレーラーなどを運転してきた。男と一緒に車に乗っていた妻は「夫はこれまで接触事故を一度も起こしたことがなかった。遺族の方々に本当に申し訳ない」と語った。

チュ・ヒョンシク記者、ク・アモ記者、カン・ウソク記者

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  • ▲写真=パク・サンフン記者
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