北朝鮮兵が投入される戦場は「肉ひき器」…ロシア軍の人海戦術で犠牲者続出

 訓練を終えた北朝鮮軍兵士約2000人がウクライナ国境に近いロシア西部に移動中だという。日本の共同通信が24日(現地時間)にウクライナ軍筋の話として報じた。ウクライナ情報機関も先日現地メディアを通じ「北朝鮮軍第1陣の一部がロシア西部クルスク州にもうすぐ到着する」と明らかにした。現在北朝鮮軍が訓練を受けているとされるロシア東部ウラジオストクからクルスク州まではシベリア横断鉄道で約1週間ほどかかるという。

【写真】開戦以来ロシア兵500人超を射殺 ウクライナ軍の29歳ドローン操縦士ビクトル・ステルマフさん

 ウクライナ北東部国境から約80キロ離れたクルスク州は現在ウクライナ軍が占領中で、今も戦闘が最も激しい地域の一つだ。ただし今後の動向によって北朝鮮軍は同じく激戦地のウクライナ東部に送られる可能性も考えられるという。キーウ・インディペンデントは専門家の話として「ドネツク州でも一進一退が続いているので、この地域の戦略的要衝を確保するため北朝鮮軍特殊部隊がロシア軍の一部部隊と交代する可能性も考えられる」と予想した。無理な戦闘で多くの死傷者が出る可能性を示唆した形だ。

 2022年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始してから何カ月間も戦場はウクライナ領土に限られていた。ウクライナはモスクワを射程圏内とする長距離ミサイルの使用許可を西側に求めていたが、戦争拡大を懸念する米国などの反対でロシア本土では使用できていない。

 ただしウクライナは今年8月6日に戦車や装甲車を中心とする機甲歩兵部隊でロシア国境を越える奇襲攻撃を開始し、クルスク州の20以上の小都市や村など一時は1300平方キロメートルにわたるロシア領土を占領したという。ウクライナ戦争が始まって以来、ロシア領土が戦場となるのはこれが初めてだった。

 双方は機甲部隊、ドローン、戦闘機、ミサイルなどの戦力をクルスク州に投入し3カ月にわたり激しい戦闘が続いている。とりわけロシアはクルスク州奪還に向けチェチェン特殊部隊など大規模兵力を持続的に投入するいわゆる「ミートグラインダー(肉ひき器)」と呼ばれる人海戦術で多数の犠牲者を出している。英国防省によると、ロシア軍の月間最大死傷者数は今年5月に1262人だったが、クルスク州での戦闘が始まってから9月はロシア軍の1日の平均死傷者数が1271人と一気に跳ね上がった。9月だけで3万人以上の死傷者が出た計算になる。

朴国熙(パク・ククヒ)記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲グラフィック=宋允慧(ソン・ユンヘ)

right

あわせて読みたい