スパイ罪で民主労総元幹部に懲役15年…韓国にスパイはどれほどたくさんいるのか【11月7日付社説】

 労働組合の看板を掲げてスパイ活動をした罪で起訴された民主労総(全国民主労働組合総連盟)の元幹部3人に、一審で重い刑が言い渡された。民主労総の元組織争議局長には懲役15年、共に起訴された元幹部二人にはそれぞれ懲役7年と5年が宣告された。組織争議局長は、傘下の産別連盟や地域連盟を総括する民主労総の有力ポストだ。韓国の代表的な労働組合の幹部らが北朝鮮の指示を受けて動いていた、という事実そのものが衝撃だ。裁判部は、被告らが海外で北の工作員と接触した後、指令を受けて反政府闘争を繰り広げたことなどを事実と認め「大韓民国の存立と安全を危うくする大きな犯罪」と指弾した。

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 実際、捜査の過程で被告らの事務室や住居などで発見された北朝鮮の指令文だけでも89件あり、歴代のスパイ事件の中で最も多い。被告らが北に報告した文献類も複数摘発された。2年前のハロウィーン雑踏事故の際に下達された指令文には「逆徒どもの退陣を要求する署名運動、ろうそくデモ、追悼文化祭といった抗議闘争を持続的に展開せよ」という内容もあった。「これが国か」「退陣が追悼だ」など、具体的なスローガンも指定してあり、実際にハロウィーン雑踏事故追悼集会の垂れ幕にはこの文言がそのまま用いられた。北は一味に、平沢米軍基地・烏山空軍基地の施設情報の収集も指示し、そんな北に向けて忠誠を誓う文を民主労総幹部らは作った。裁判部は、これらの内容も事実と認めた。それでも民主労総は何ら謝罪せず、「公安弾圧」だとして「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権退陣」集会を開いた。

 組合員100万人を超える民主労総は、社会と政治に大きな影響力を及ぼしてきた。裁判部は「被告人らの行為が、労働組合に加入して血と汗を流して稼いだお金で組合費を納付してきた全ての組合員が真に望んでいることだと考えたかどうか、問わざるを得ない」と指摘した。この問いに、民主労総は答えるべきだ。

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  • ▲スパイ容疑をかけられている民主労総元幹部の一審判決公判が開かれた6日、京畿道水原市霊通区の水原地裁で、民主労総の関係者らが記者会見を開き、国家保安法廃止および局面転換用公安政局づくりを糾弾してスローガンを叫んでいる様子。/ニュース1

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