尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳を宣布した3日の夜、国会に入った戒厳軍が所持していたと推定されるケーブルタイ(手錠)が公開された。野党は「国会議員の逮捕用」だとして、戒厳軍が非常戒厳解除要求案の本会議上程を防ぐために与野党の代表や議員など中心的な人物を拘禁・逮捕しようとしていたことを示している、と主張した。
【写真】戒厳軍の残していったとされる手錠を確かめる李在明代表
進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の金民錫(キム・ミンソク)最高委員は4日、国会本館前の階段で開かれた「尹錫悦大統領辞任要求・弾劾推進非常時局大会」において、「戒厳軍が落としていった手錠」だとして軍用のケーブルタイを公開した。通常、特殊部隊では所持しやすいケーブルタイを手錠の代用品として使うといわれている。金最高委員は「彼らはこの手錠で韓国の民主主義と与野党の指導者らまで縛ろうとした」と主張した。戒厳軍が与野党代表や主な政治家らを拘禁し、戒厳解除要求に必要な議決定足数を満たせないようにしようとしていた、というのだ。
野党は、戒厳軍の「逮捕班」も動いていたと主張した。民主党の趙承来(チョ・スンレ)首席スポークスマンは「3日の夜12時ごろ、軍が国会に乱入したとき、首都防衛司令部の特任隊が民主党代表室に乱入して李在明(イ・ジェミョン)代表を逮捕・拘禁しようとしていた試みが防犯カメラで確認された」「李代表と(保守系与党の)国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長を逮捕しようとする逮捕隊が作られ、それぞれ動いたということも確認された」と主張した。
与党も批判に加勢した。国民の力の金鐘赫(キム・ジョンヒョク)最高委員はCBSラジオの番組で「(野党が)自由民主主義を害する国家転覆勢力であるとして非常戒厳を下すと言いながら、それに反対した与党代表についても逮捕しようというのは論理的に全く話にならないこと」と述べた。一方、国会事務処は4日から、国防部(省に相当)職員や警察などの国会庁舎への出入りを全面禁止した。
ヤン・ジヘ記者