大統領一人の独断的戒厳宣言という未曽有の事態に、国会は与野党が共に戒厳解除案を議決した。国民も一晩中、当惑しつつも動じず、憲政秩序の回復に加わった。韓国の民主主義と国家システムの復元力を示してくれたことは幸いだった。
共に民主党は大統領の即時辞任を求め、尹大統領・国防部(省に相当)長官・行政安全部長官を内乱罪で刑事告発し、国会で大統領弾劾を推進する方針だ。違憲の可能性が高い戒厳宣言と、軍人を動員した国会議員の国会議事堂立ち入り阻止は、憲法上の内乱罪と大統領弾劾事由になるという意味だ。
共に民主党や祖国革新党など野党6党は4日、所属議員191人全員の名義で大統領弾劾訴追案を国会に提出した。共に民主党は5日、国会本会議に弾劾案を報告し、6日または7日にも弾劾案を表決する方針だ。国会で弾劾案を可決するには、国民の力の議員8人以上の同調(造反)が必要となる。国民の力は党の方針として、議員総会と指導部会議を通じて弾劾に反対することを決めた。内閣総辞職と国防長官解任でも意見が一致した。韓東勲代表は大統領の離党を求めたが、党内の反対で結論を出すことができなかった。
韓悳洙首相をはじめとする内閣は総辞職の意思を表明し、大統領室でも秘書室長、政策室長、国家安保室長、首席秘書官をはじめとする秘書官全員が辞意を表明した。大統領が自ら招いた危機なのだから、大統領が自ら解決しなければならない。国会による弾劾要求と辞任要求に直面することとなった尹大統領は逃げ回りさえすればやり過ごせるような状況にはない。まず、尹大統領が国民の前に出て、一連の事態について釈明し、収拾策と共に、どのように責任を取るのかを述べねばならない。