大統領が逮捕・拘束されたらどうなるの? 「被疑者」尹錫悦に差し迫る危機

逮捕・拘束されたら国政運営はどうなるのか

 一方、尹大統領が身柄を拘束されたとしても保釈などで身柄の拘束が解かれた場合は職務停止が保留される、という解釈がある。高麗大学の車教授は「尹大統領が逮捕・拘束されたら権限代行者が国政を代わりに運営しなければならない」としつつ「もし拘束後に保釈を受けたら、事故状態は終了し、大統領が職務に復帰することになるだろう」と説明した。

 一部には、大統領の逮捕および身柄拘束は事故に該当せず、引き続き職務遂行が可能だ、という意見もある。韓国憲法学会副会長を務めた李鎬善(イ・ホソン)国民大学法学部長は「単に身柄が拘束されたということでもって職務を停止するのは、無罪推定の原則に反する」とし「最終確定判決で有罪・無罪が決定されるまでは、逮捕・拘束だけで大統領の職務を停止して権限代行を置くのは無理」と語った。

■権限代行者は現状維持の権限のみを行使すべき

 もし大統領の事故で首相など権限代行が国政を運営するとしても、行使できるのは政府を管理する程度の限定的な権限だけ、という解釈が支配的だ。韓国憲法上、大統領が持っている法案拒否権、条約締結および批准、外国首脳との会談、緊急措置の発令などの固有権限を代行者が用いるのは不適切、というわけだ。盧熙範弁護士は「選出されていない権限代行が大統領の職務をそのまま遂行するのは正しくない。現状維持的な権限のみを行使すべき」と語った。

 ただし、各部処(省庁に相当)の長や憲法裁判官など高位公職者が空席の状況で後任を任命するのは可能、という意見が多い。元職のある憲法裁判官は「特に、国会が推薦した裁判官や大法院長(最高裁長官に相当)の求めによる大法官(最高裁判事に相当)の任命などは形式的な手続きであって、権限代行者が代わりに行うことができる」と語った。

パン・グクリョル記者、パク・ヘヨン記者

【早わかり】大統領が逮捕・拘束されたらどうなるの?

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