ディープシークの開発を主導した「天才少女」…中国の20代・30代のアイドルに

エンジニアの羅福莉さん

 羅さんは2019年に24歳で修士号を取ると、先端技術の「最前線」へと向かった。中国を代表するテック企業「アリババ」の傘下にあるAI研究・開発部門「DAMOアカデミー」に合流して、多国語辞書学習AIモデル「VECO」の開発に参加。さらに、アリババ初の大規模言語モデル(LLM)である「AliceMind」の開発時には一部のプロジェクトのリーダーを務めた。22年には、ディープシークの母体で、やはり「若き天才」に挙げられる梁文鋒さんが創業したAIベースの投資会社「幻方量化」(High-Flyer)に籍を移した。23年にディープシークに合流してV2モデル開発を主導した。昨年5月に公開されたこのモデルは、世界的に注目されるディープシーク R1の土台となるAIモデルで、既にこの時点でチャットGPTの性能に一部追い付いた、という評価を中国内外で受けている。

 羅さんは、中国メディアが「中国を代表するテック企業『シャオミ』の創業者、雷軍さんが昨年12月、1000万元(現在のレートで約2億1400万円)を超える年俸を提案した」と報じた後、さらに有名になった。既に中国の先端技術業界で「若き天才」などの年俸が急速に上がっていることを考慮しても、1000万元は大金だ。シャオミは2016年に傘下のAI研究所を設立した後、23年までに3000人を超える人材を吸収した。「人材を連れてくることこそ、創業者のやるべき最も重要な仕事」だと語ってきた雷軍さんが、羅さん招聘(しょうへい)に力を入れたのだが、羅さんは固辞したという。羅さんは自らの実力を証明したのに続いて、知名度まで獲得し、この程度のオファーは容易には受諾しない可能性が高い-と業界関係者はみている。北京のあるテック企業関係者は「いっそ羅さん自ら創業するとなれば、一夜でスター企業を作って大変な資金を集めることができるだろう」と語った。

 ディープシーク創業者の梁文鋒さんも、羅さんと同じく中国で生まれ育ったエンジニアで、中国の大学でコンピューター工学を学んだ「若き天才」に挙げられる。広東省出身で、名門大学の浙江大学コンピューター工学科に入って勉強した後、アリババ本社がある杭州で投資会社を創業した。AIスタートアップ企業のディープシークを立ち上げた後、投資会社の運営で稼いだ資金を惜しげもなく使い、若き天才を大挙迎え入れて育てたことで有名だ。

北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員

【写真】「AI女神」羅福莉さん

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