韓国国立ハングル博物館で火災、4時間後に鎮圧…人命・文化財の被害なし

 ソウル市竜山区の国立ハングル博物館で発生した火災は4時間後に初期鎮圧された。同博物館の3階と4階が全焼したが、人命被害と文化財被害はないことが分かった。

 消防当局が1日に発表したところによると、同日午前8時40分ごろ、同博物館の3階展示室で火災が発生したという。消防当局は火災発生から50分後に対応第1段階を発令して消防車両76台と隊員262人を動員し、同日昼12時31分ごろ、初期鎮圧に成功したとのことだ。

【写真】国立ハングル博物館の収蔵庫から文化財を移送する関係者たち

 同博物館は増築工事で休館中だったため、入場者など人命被害は発生しなかった。同博物館内にいた作業員 2 人は救助され、残りの 4 人は避難した。だが、消火活動のため同博物館内に入った消防隊員1人が2メートル下に転落した際、鉄筋の落下物に当たって負傷し、病院に搬送された。ただし、命に別条はないとのことだ。

 同博物館の所蔵品にも被害はなかった。同博物館は増築工事によりすべての文化財を収蔵庫に別途保管しており、火災発生後は1459年の書物「月印釈譜」や朝鮮第22代国王・正祖の1796-1800年の手紙「正祖ハングル御札牒」など、国家指定文化遺産257点を近くの国立中央博物館に移した。

 今回の火災は増築工事が行われていた3階の展示室で発生した。消防当局は工事現場で鉄筋を切る作業をしていて火花が飛び散り、火災が発生したと推定しているが、詳しい原因を調査している。

 同博物館の3階で発生した火災は4階に広がった。消防隊員らは4階に積まれていた資材に阻まれ、消火活動に支障を来したという。消防当局は「建物内の床に可燃物が多く、一つ一つ取り除いて残り火がないか確認しなければならなかった」「完全鎮火までは時間がかかるだろう」としている。スプリンクラーが作動したかどうかについては「現在まで作動が止まっていたと把握している」と述べた。

 国立ハングル博物館は2014年に開館し、ハングル関連の文献資料など約8万9000点が所蔵されている。このうち、「月印釈譜」「正祖ハングル御札牒」「青丘永言」など9件は国の宝物に指定されており、「三綱行実図」など4件が市・道有形文化遺産だ。

イ・ハクチュン記者

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