最高憲法解釈機関の権威と慎重さはどこへ? 韓国憲法裁、「馬恩赫問題」巡り直前に宣告延期を発表

 憲法裁判所が3日、崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行の馬恩赫(マ・ウンヒョク)憲法裁判官候補者任命保留に関連した権限争議・憲法訴願事件の宣告を、当日になって延期した。これを受けて尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の代理人団は「最高憲法解釈機関としての権威と慎重さは見いだし得ない」と批判した。

【表】異例の宣告延期に至った理由

 韓国法曹界からも、憲法裁がこの事件を急いで審理する中で「請求人適格性」問題を手抜きし、「与野党合意」など中心的な争点をきちんと取り上げなかったことから、宣告が延期されたのだろう-という分析が出ている。

■憲法裁、「請求人適格性」の争点を手抜きか

 権限争議事件の請求人適格性問題が宣告延期の重要な理由だった、というのが韓国法曹界の解釈だ。禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は1月3日、崔権限代行が馬候補者を任命しなかったことから、韓国国会を代表して権限争議を請求したが、その際に国会の議決を経ることはなかった。

 これに対し崔権限代行側は今月1日、「禹議長単独の審判請求は不適法であって、却下すべき」とする書面を憲法裁に提出した。請求人を「大韓民国国会」としていながら議決を経ていないのは請求人資格に欠ける、というわけだ。国会代理人団は「議決がなくても可能」と主張しているが、憲法裁はこの日、国会側に「6日までに請求人適格性問題についての立場を追加で説明せよ」と要求した。憲法裁上層部の関係者は「きょう宣告することで合意がなされていたが、崔権限代行側の意見書が受理され、追加審理のために弁論を再開した」と語った。

 しかし憲法学者らは「憲法裁が、宣告前に当然調べておくべきだった請求人適格性問題を手抜きしたのではないか」と指摘している。李仁皓(イ・インホ)中央大学教授は「禹議長が権限争議審判請求を出せるかどうかは、被請求人側の申請がなくても裁判部の職権で調べておくべきだった事項」だとし「裁判部が、論点を放置していたものとみられる」と語った。なお、憲法裁の関係者は「請求人適格性は裁判部が議論中の問題」とだけコメントした。

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  • ▲グラフィック=鄭仁盛(チョン・インソン)
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