捜査権がない機関の第1次長に尹大統領が「検挙要請」? 洪壮源氏が作成したメモに憲法裁判官が疑問呈す

捜査権がない機関の第1次長に尹大統領が「検挙要請」? 洪壮源氏が作成したメモに憲法裁判官が疑問呈す

【TV朝鮮】(アンカー)

 12・3非常戒厳の性格を規定する重要証言の一つが、洪壮源(ホン・ジャンウォン)元国家情報院(韓国の情報機関。国情院)第1次長の「政治家逮捕リスト」でした。ところがきのう、憲法裁判所では、洪・元次長が当時作成したというメモを巡って鄭亨植(チョン・ヒョンシク)憲法裁判官がかなり長時間の質疑を行い、疑問を表するという事件がありました。どのような内容だったのか、チョ・ソンホ記者が整理しました。

【写真】弾劾政局を左右する重要証言 「検挙要請」と記したメモ

 (記者リポート)

 洪壮源・元国情院第1次長は戒厳当日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と電話をした後、呂寅兄(ヨ・インヒョン)防諜(ぼうちょう)司令官=当時=に連絡しました。

 電話の後に原本メモを見て2次的に整理したメモには「(位置追跡と)」という表現の前に「検挙要請」と記されていますが、鄭亨植憲法裁判官は「国情院は逮捕をしないのに、なぜそういう表現を使ったのか」と尋ねました。

 (鄭亨植/憲法裁判所裁判官)

「なぜ、国情院が逮捕に行くんですか? 逮捕する人員はいますか?」

 (洪壮源/元国情院第1次長)

「国情院は捜査権がないので、逮捕できる権限はありません」

 続いての質疑で、洪・元次長は「公文書」ではなく「メモ」に過ぎないと言いました。

 (洪壮源/元国情院第1次長)

「私が公文書を作成するわけないじゃありませんか。簡単なメモじゃないですか」

 (鄭亨植/憲法裁判所裁判官)

「メモはなぜ作成しておいたんですか?」

 (洪壮源/元国情院第1次長)

「自分なりに、あの状況を記憶しておくために書いておいたものです」

 (鄭亨植/憲法裁判所裁判官)

「では正確に記載しなければ」

 (洪壮源/元国情院第1次長)

「はい。正確に記載できず申し訳ありません」

 洪・元次長は先月、国会の内乱国政調査特別委では、防諜司令部を支援せよという指示を受けたとだけ語っていました。

 (洪壮源/元国情院第1次長〈1月22日〉)

「重要な要旨は、防諜司令部を積極支援せよという部分が要旨でした。国情院に対共捜査権を与えるつもりだが、今回はひとまず防諜司を積極支援せよ」

 尹大統領は、洪・元次長の解任後、当該メモが野党に渡る中で内乱と弾劾政局が始まったと主張しました。

 (尹錫悦大統領〈きのう〉)

「あのメモが弾劾から内乱追い込み、このあらゆるプロセスが12月6日の国会で朴善源(パク・ソンウォン)議員に渡る中で始まったと思うんですね」

 しかし洪・元次長は、聞いて覚えていることを説明したのであって、うそをつく理由は無い、と反論しました。

 (洪壮源/元国情院第1次長〈きのう〉)

「事実を話すのはかくも苦労するものなんだなという点を感じています」

 TV朝鮮、チョ・ソンホがお伝えしました。

(2025年2月5日放送 TV朝鮮『ニュース9』より)

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