「韓国メーカーが日本メーカーを追い落とした時のよう」 中国に追い詰められる韓国半導体

DRAM急成長の中国がHBMも開発

 CXMTは2016年までメモリー半導体の製造設備もほぼなかった企業だ。ところが中国政府からの補助金による支援やアリババなど大手企業の投資により短期間で中国最大のメモリー半導体メーカーに成長した。一部ではCXMTの売り上げはその多くが中国国内で記録しているため、世界シェアも一気に高められるとの見方もある。

 市場調査会社テックインサイツのダン・ハッチソン副会長は「CXMTのシェアは中国に集中しているが、商品性に優れたDRAM分野で急速に成長し、今後の業績は雪だるま式に膨らむだろう」と分析している。

■HBMなど高付加価値DRAMでも追撃

 CXMTは最先端メモリー分野でも急速に追撃しており、韓国メーカーにとって将来のシェアを奪われかねない脅威になっている。HBM(広帯域メモリー)やDDRなど高付加価値・高性能DRAMでも韓国メーカーとの技術格差を狭めているためだ。韓国メーカーは高付加価値製品で収益を確保しなければならないが、それも少しずつ揺らいでいるのだ。

 CXMTは昨年12月にDDR5(第5世代)の大量生産に成功し、最近は複数の取引先にサーバー用DDR5の出荷を準備しているという。DDR方式のDRAMは従来型に比べてデータ処理速度が2倍で、大型サーバーに主に使用される。CXMTはDDR4で韓国メーカーに追い付くまで6年かかったが、DDR5ではその格差を4年に狭めた。

 CXMTはAI加速器に搭載されるHBM市場にも急速に進出している。CXMTは現在中国にHBM2(第2世代HBM)の生産能力を持つ28万平方メートル規模の工場を建設中だ。半導体業界の関係者は「中国の半導体業界は膨大な中国市場を背景に技術を蓄積し、高付加価値メモリー市場で急速に成果を上げている」「AIのディープシークが成功し、中国の半導体自立が加速化しているが、これは韓国の半導体業界にとっては長期的に見て大きな悪材料だ」と指摘した。

チェ・インジュン記者、ユン・ジンホ記者

【図】縮まる韓中半導体格差

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