共に民主党、4月18日に任期満了を迎える進歩系憲法裁判官の任期延長法案を発議

「進歩系裁判官の数的優位を守ろうと小ざかしい手」と批判の声

 進歩(革新)系最大野党「共に民主党」が、憲法裁判官の後任者を任命できない場合に前任の裁判官の任期を自動延長する内容の法案を発議した。今年4月18日に文炯培(ムン・ヒョンベ)憲法裁判所長権限代行と李美善(イ・ミソン)裁判官の任期が満了することを念頭に置いたものとみられている。

【写真】憲法裁判官8人の任期

 19日の国会によると、卜箕旺(ポク・キワン)民主党議員など10人は最近、「憲法裁判官が、任期が満了したり定年が過ぎたりした後も後任者が任命されない場合、既存の裁判官が任期6カ月に限って職務を遂行するようにして裁判の空白を防止する」という内容の憲法裁判所法改正案を発議した。法案は現在、所管常任委の法制司法委員会に回付されており、追って話し合われる見込みだ。

 韓国政界からは、野党が進歩系の文炯培・李美善裁判官の任期を延長させて「文炯培体制」と進歩系裁判官の数的優位を維持しようとするものだ、との批判が出ている。民主党は、現在の「大統領権限代行」体制で文・李裁判官の後任を任命するのは駄目だ、と主張している。憲法裁が「保守優位」に再編されることを防ぐためだ。だが後任なしに両裁判官が退任したら、憲法裁が機能を発揮できない状態になるので、「任期延長」という小ざかしい手を動員しているというわけ。

 違憲の余地もある。韓国憲法112条1項で「裁判官の任期は6年とし、法律が定めるところによって連任できる」と定めているからだ。車珍児(チャ・ジンア)高麗大学教授は「6カ月も任期を伸ばすのは違憲とみる余地があり、特定政党がわざと裁判官の選出に協力しない形で悪用されかねない」と語った。

 これについて卜議員は19日、本紙の取材に対し「裁判官3人が空席になって憲法裁判所の権能を発揮できない状態を防ごうとするものであって、特定人を念頭に置いたものではない」とし「(違憲論争の場合)『連任できる』という条項があるので問うてみる必要がある」と語った。

 民主党はこのほかにも、裁判官の任期や任命に関連した法案を多数発議している状態だ。先に金鉉正(キム・ヒョンジョン)議員は、後任者が任命されるまでは前任裁判官が期間制限なく職務を遂行するようにする法案を発議し、朴均沢(パク・キュンテク)議員は、国会と大法院長(最高裁長官に相当)が推薦する裁判官を大統領が即時任命するようにする法案を発議した。

キム・サンユン記者

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  • ▲文炯培憲法裁判所長権限代行と李美善憲法裁判官。/写真=写真共同取材団

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