23カ月で2回…法手続きを悪用する民弁に翻弄される昌原スパイ団事件裁判【コラム】

昌原に移送後は10カ月で0回
民弁弁護士、被告人裁判の翻弄(ほんろう)に裁判所は無責任にも引きずられっ放し

 被告人と弁護人がこのような状況を見逃すはずがない。昌原地裁が公判準備期日に合わせて進めていた昨年10月「国情院収集資料が不法」という自分たちの主張を裁判所が受け入れなかったとし、また裁判官忌避申請を出した。現行法では、裁判遅延の意図が明白な裁判官忌避申請は直ちに棄却し、裁判を進めることができるようになっている。しかし、裁判所がその判断を他の裁判所に引き渡したことで、裁判は再び中断されることとなった。結局、事件移送後の10カ月間、昌原地裁で正式裁判は一度も開かれなかった。

 済州スパイ団事件の裁判も起訴されて1年10カ月が過ぎたものの、一切進んでいない。被告人たちは初公判準備期日に国民参加裁判を申請したが、この申請が最高裁で最終棄却されるまで何と7カ月もかかった。被告人たちは裁判を一度も受けずに全員釈放された。昨年1月に開かれた初裁判では25分で無断退廷した。続いて裁判官忌避申請を出したが、先月最高裁で最終棄却されるまで再び6カ月もかかった。このような申請に対する判断は長くかかることがない。ところが、判事たちが時間を掛けることで裁判が遅れるのだ。被告人たちの裁判の翻弄(ほんろう)をまるで裁判官たちが支援しているも同然だ。

 スパイ事件の被告人の防御権も保障しなければならない。しかし、昌原や済州スパイ団事件はすでにその線を越えている。両事件の弁論は公安事件の常連弁護士であるチャン・ギョンウク弁護士が主導している。民弁出身の彼は2011年に北朝鮮の指令を受けて活動したスパイ団である「旺載山」事件の弁護を引き受け、中心的証人に黙秘権の行使を促した事実が明らかになったことで物議を醸した人物だ。その弁護士と被告人たちが法手続きを悪用して裁判システムを翻弄しているわけだが、判事たちは無力にも引きずられっ放しだ。何とも無責任なことだ。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)論説委員

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