スティーブ・バノン氏「中国共産党の介入で我々の同盟国・韓国が危機的状況」　トランプ大統領が出席した米最大の保守派集会で韓国への言及相次ぐ

　米国のトランプ大統領が、米国最大の保守政治イベントで「4年かけて必死に戦う」とした上で、国内外で自らの方針を力強く押し進める考えをあらためて示した。トランプ大統領は22日、四日間の日程でメリーランド州のナショナル・ハーバーで開催された「2025保守政治行動会議（CPAC）」の最終日に会場に姿を現し「私はまだ戦いを始めてもいないし、皆さんも同じだ」と述べた。韓国の主力輸出品である半導体や自動車などへの大幅な関税引き上げについても「関税により1870年から1913年まで米国は相対的に最も豊かになれた。我々は関税で非常に多くの金を得られるだろう」との考えを示した。

【写真】マッカーサー将軍像に赤いスプレーで落書きする反米団体メンバー

　米国最大の保守団体「米国保守連合（ACU）」が主催するCPACは保守陣営を代表する政治イベントだ。トランプ大統領は本格的に政治活動を始めた2010年代以降、ほぼ毎年このイベントに出席してきた。

　イベントでは昨年12月の非常戒厳令宣布から続く韓国の大統領弾劾政局をめぐる発言も数多く飛び出した。アメリカ第一政策研究所のフレッド・フライツ副所長は「中国や北朝鮮が韓国の民主主義とアジア太平洋地域の安全保障を害し、米国をこの地域から追い出そうとしている」「（韓国政界の一部で浮上している）不正選挙問題はより大がかりな安全保障への挑戦の一部だ」と指摘した。

　CPAC執行部に所属し米保守陣営では代表的な中国強硬派のゴードン・チャン弁護士は「（韓国の）左翼陣営は尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領を排除し、政権を掌握しようとしている」と発言した。第1次トランプ政権で国務省国際刑事司法大使を務めた韓国系のモールス・ダン氏は「（韓国の）民主主義が強奪され、破壊されることを決して容認してはならない」と訴えた。トランプ大統領は22日に演説し、中国に対する経済的圧迫政策の成果を説明した上で、ゴードン・チャン弁護士をステージに呼んで紹介し「あなたが語る全てのこと（強力な対中圧力政策）に同意する」と述べ、親密さをアピールした。

　トランプ政権の重要スタッフとされるスティーブ・バノン元ホワイトハウス首席戦略官は公式夕食会で「中国共産党の介入で我々の同盟国である韓国が危機的状況にあることを認めるべきだ」「状況が整理されればトランプ大統領が対応するだろう」と述べたという。夕食会に出席した閔庚旭（ミン・ギョンウク）元議員が伝えた。CPACとパートナーシップを結んでいる韓国保守主義連合（KCPAC）は会場にブースを設置し、尹大統領弾劾手続きの問題点を伝えた。

ワシントン＝金隠仲（キム・ウンジュン）特派員