-今所属している部隊は「暴風軍団」ですよね。
「そうとも言えます」(ペク兵士は、「暴風軍団は誰でも入れる部隊ではなく優秀な人材だけが選ばれるそうだが」と尋ねると「そうとも言えます」と答えた。インタビューの最後にあらためて所属を尋ねると、正確な所属は「偵察局」と明かした)
-高校を卒業してすぐに入隊したのですか。
「もちろん大学に先に行くこともできましたが、先に軍隊に行って、軍隊で経歴を積んでから大学に行くことにしました」
ペク兵士はロシアに「(昨年)11月」にやって来たと話した。クルスクに来た日付は「1月…1月3日」と覚えていた。クルスクに着いてわずか1週間後の1月9日に負傷して捕虜となったのだ。
-ロシアに来る前に、意志を尋ねられるとか、同意するというプロセスは全くなかったのですか?
「ありませんでした」
-クルスクに投入されて、どうでしたか。
「とにかく生まれて初めて外国に来たので、戦闘に参加するまでは気持ちがフワフワしていたというか…。怖いのは…すぐそばで(戦友たちが)倒れるのも見えるし…。それでも何が怖いのかも分かっていなくて」
-一緒に生活していたのは何人ぐらいだったんですか。
「10人ぐらいで…。(一緒にいた兵士たちが)負傷して搬送されたり、戦死したり…。残ったのは半数もいませんでした」
-こんなに北朝鮮軍から多くの犠牲者が出るとは予想していましたか。(ウクライナの情報当局は北朝鮮が約1万2000人を派兵し、そのうち4000人が死亡したか負傷したとみている)
「はい。戦争ですから。どうしても犠牲が…」
-戦闘用ドローン(無人機)が現れたらどのように対応していたんですか。
「撃ち落とすことに。ロシア軍が戦闘の経験談とか、そういうことを聞かせてくれたんですが、その…無人機のせいで多くの被害を受けたと言っていたんですよ。そして、無人機への対応としては、隠れ場所に入るか、無人機を避けて逃げるとか、そういう経験を(ロシア軍は)話してくれたんですが…私たちの軍隊はそうするんじゃなくて、撃って全部落下させたんです」