大学生の娘の名義で違法に融資を受け、財産を少なく申告した罪などで起訴された韓国野党・共に民主党の梁文錫(ヤン・ムンソク)議員(京畿道安山甲選挙区選出)に一審で当選無効に相当する判決が言い渡された。
【写真】金建希夫人に対する「キーセン・ハウス」発言を謝罪する梁文錫議員
水原地裁安山支院刑事2部(裁判長、パク・ジヨン)は2月28日、違法に融資を受けた疑いで起訴された梁議員に懲役1年6カ月、執行猶予3年を言い渡した。財産を少なく申告した罪(公職選挙法違反)については罰金150万ウォン(約15万円)が宣告された。
この判決が大法院(最高裁判所に相当)で確定すれば、梁議員は議員の身分を失う。国会議員は禁錮以上の刑が確定、あるいは公職選挙法違反容疑で罰金100万ウォン(約10万円)以上が確定すれば議員から除名される。
裁判所は同時に起訴された梁議員の妻に対しては懲役2年、執行猶予3年を言い渡した。
梁議員と妻は2021年4月、大学生の娘名義で11億ウォン(現在のレートで約1億1000万円、以下同じ)の事業者融資を受け、ソウル市瑞草区のマンション購入に使ったとして起訴された。事業者融資を受ける際にセマウル金庫をだますため必要な書類を偽造して提出した疑いもある。
総選挙前の昨年3月にこれら一連の疑惑が浮上したが、その際に梁議員はフェイスブックに「セマウル金庫の側から先に融資を持ち掛けてきた。意図してだましたのではない」とうそを投稿したため、虚偽の内容を広めた容疑も追加された。総選挙候補者登録の際に30億ウォン(約3億1000万円)の瑞草区マンションの価格を9億6400万ウォン(約9930万円)と低く申告した疑いもある。
一連の疑惑について梁議員本人はこれまで「融資は妻が受けたのであって、詳しい内容は知らない」「フェイスブックでは無念な思いを訴えたが、偽りを広める意図はなかった」として容疑を否認した。
判決で裁判長は「住宅ローン返済のためにセマウル金庫をだまし、娘名義で事業者融資を受けた点は事実として認められる」と指摘した。フェイスブックの投稿については「単純に無念な思いを訴えただけとは言えず、客観的事実とは食い違う虚偽の内容が含まれている」との見方を示した。
梁議員が財産を不当に少なく申告した容疑については「価格差があまりに大きく、単なる不注意とはみなし難い」と判断した。
ただし裁判長は梁議員が書類を偽造し提出した容疑については「妻がやったことであり、梁議員が具体的に加担したと判断するに足る証拠はない」として無罪とした。
判決が出た直後、梁議員は「判決内容を精査し、控訴審でしっかりと対応したい」とコメントした。
安山=キム・スオン記者