韓国与党・国民の力の議員たちは先月28日、採用不正の実態が明らかになった選挙管理委員会と、選管に事実上の「監査の免罪符」を与えた憲法裁判所を一斉に批判した。
権性東(クォン・ソンドン)院内代表は同日午前の院内対策会議で、「選管はまさに21世紀の近代国家では想像もできない『蔭位(おんい)の制』集団だ」「身内を高位職に就けさせるだけでなく、長期無断欠勤、多すぎる給与の受け取り、病気休暇のセルフ決裁、勤務期間中ロースクール進学・卒業まで、おぞましい不正がパノラマのように繰り広げられている」と述べた上で、「選管は今、大韓民国のどの組織よりも腐敗している」と言った。「蔭位の制」とは、父祖の功績によりその子孫に官職が与えられる制度のことだ。
監査院が先月27日に発表した「選挙管理委員会の採用など人材管理実態」という報告書によると、選管が2013-22年に実施した167回のキャリア競争採用で計662件の規定違反が確認されたとのことだ。
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権性東院内代表は「それにもかかわらず、選管は親族採用が問題視されるとすぐに書類破棄を指示するなど、犯罪行為の隠蔽(いんぺい)を試みている。これほどまでとなると、選挙を行う組織なのか、それとも犯罪マフィア一家なのか分からなくなるほどだ」と指摘した。
さらに、「昨日(先月27日)、憲法裁判所は選管が監査院を相手取り起こした権限争議審判に対し、これを認める決定を下した」「マフィア選管は庶民や若者たちに血の涙を流させる採用不正を常習的に犯しても、今後も自分勝手に不正を犯すことができる白地小切手を受け取ったと勘違いしてはならない」と言った。
国民の力の尹相現(ユン・サンヒョン)議員も同日、交流サイト(SNS)「フェイスブック」に「(憲法裁判所が)選管に聖域の資格を与えたものだ。今や不正と腐敗を犯す選管カルテルを抜本的に根絶する方法はほとんどなくなった。選管は『親族管理委員会』という汚名をそそぐことができる革新的な改革案を自ら作って発表すべきだ」と述べた。
同党の朴洙瑩(パク・スヨン)議員も前日、フェイスブックに「どう見ても憲法裁判所には憲法専門家がいないようだ。あまりにも軽い決定だ。『ファミリー企業』だと言って親族を多数採用する組織、国の金をとんでもない所に使った機関である選管に、監査院でさえ立ち入ることができないなら、あれほど横行している不正を誰が取り締まることができるのだろうか」と問いかけた。
権純完(クォン・スンワン)記者