1950年6月に北朝鮮軍がソウル大病院で1000人銃殺…真実和解委がようやく「虐殺」認定【独自】

 韓国政府による事件の真相究明は、6・25戦争期などの民間人・軍人の犠牲の真実を明らかにするために独立調査機関である真実和解委が2005年に発足してから20年ぶりに実現した。虐殺が起きてから75年目のことだ。この事件は既に米軍の調査などで外部に知られていた。KWCは1954年5月に解体されるまで、北朝鮮の捕虜の証言、現地住民に対する聞き込み、現場調査などを進めており、関連報告書も外部に公開されている。1963年、ソウル大病院の裏門には「名も知らぬ自由戦士碑」という慰霊碑も建立された。しかし、国家報勲部がこの慰霊碑を顕忠施設(戦没者追悼施設)に指定したのは事件から60年余りが過ぎた2012年のことであり、政府による調査は70年余りが過ぎた2022年になって始まった。

 これは韓国の政界や歴史学界が国軍や米軍による民間人被害だけを執拗に暴いてきた過去の文化と無関係ではないとされている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)、文在寅(ムン・ジェイン)両政権下でスタートした第1・2期真実和解委は保導連盟(共産主義からの転向者やその家族を再教育するための組織)や麗水・順天事件など韓国軍と警察などによって民間人が犠牲になった事件だけを集中的に調査した。一方、北朝鮮が犯した事件は事実上無視した。今回の事件の調査は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後の2022年に始まった。

 3月初め、真実和解委は2年6カ月にわたる調査を終え、25日に小委員会を開き案件を議決した。4月の全体会議では朴宣映(パク・ソンヨン)委員長と与野党がそれぞれ推薦した常任委員2人、非常任委員6人の計9人のうち、在籍委員の過半数の賛成すれば、最終的に議決される。

 真実和解委は、遺族への補償を行うための国会での立法、政府の北朝鮮に対する公式謝罪要求、追悼事業の支援、歴史教科書への反映および教育を勧告する予定だ。朴委員長は本紙の電話取材に対し、「今回の事件は厳然たる北朝鮮の虐殺犯罪を歴史的に究明・規定する上で大きな意味を持つ。国内のみならず国連と人権運動を行う国際機関に結果を提出し、全世界に広く知ってもらうことにしている」と話した。

チャン・ユン記者

【写真】韓国軍負傷兵と民間人の遺体32体が埋められた地点に立てられた標識

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  • ▲6・25戦争当時、ソウル大学病院(ソウル市鍾路区)で北朝鮮の朝鮮人民軍が韓国の負傷軍人と民間患者1000人余りを殺害した事件の犠牲者を悼むため、病院裏門に建てられた慰霊碑/チョ・インウォン記者
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