民主党のこうした動きを巡って、国民の力では「政略的な内乱フレーミング」だとしている。ところが、こうした民主党の動きには、左派系の労組や一部の団体も加勢する雰囲気だ。一部の言論関連団体は、戒厳事態の後、李真淑(イ・ジンスク)放送通信委員長、柳熙林(リュ・ヒリム)放送通信審議委員長、朴樟釩(パク・チャンボム)KBS放送社長などに対する解任要求に乗り出したのだ。YTN放送民営化、KBS受信料分離徴収など、尹錫悦政権の放送政策や放通委の2人常任委員体制まで「内乱事例」に挙げている。国民の力の関係者は「放通委が2人体制で不安定な運営をした過程については、憲法裁でも、民主党が自分たちの分の委員を推薦しないことを一因として指摘した」「自分たちの気に入らないことは全て内乱だとして追い立てようとしている」と語った。
尹・前大統領の弾劾を主張していた団体「ろうそく行動」は、内乱行為者処罰のための特別法制定を要求する100万人署名運動を繰り広げている。同団体は「内乱行為者特別調査委員会と特別裁判部を設置し、内乱主犯、加担者、宣伝者を根本から取り除くまで調査・処罰すべき」と主張した。民主党が大統領選挙で勝利することを想定して、国民の力などを対象に、次期政権発足とともに「内乱清算」に乗り出したいという意向を明らかにしたものだと解されている。
民主党は12・3戒厳事態の直後から、尹・前大統領を「内乱の頭目」だと決め付けて弾劾訴追案の半分以上を内乱罪の容疑で満たした。ところが憲法裁の弾劾審判が始まると、民主党が主導する国会弾劾訴追人団は、訴追案から内乱罪に関する部分を除外した。李在明(イ・ジェミョン)前代表も一時、企業関係者と会って「民主党は中道・保守政党」だと称し、政策を「右向き」にした。しかし尹大統領が罷免されるや、民主党では再び国民の力や一部保守陣営を「内乱勢力」と決め付け、国民の力に向けて「大統領選候補を出すな」と要求している。政界関係者は「民主党では、大統領選キャンペーン時はもちろん政権を取ってからも朴槿恵(パク・クンヘ)政権の4年間に対して大々的な積弊清算の追い立てに乗り出した、文在寅(ムン・ジェイン)政権時代と似た兆しを見せている」と指摘し「グローバルな通商戦争など国際秩序が急変しているのに、韓国政界は過去史の積弊追い立てに巻き込まれる可能性が高い」と懸念した。
朴秀纘(パク・スチャン)記者、パク・サンギ記者