宋旻淳(ソン・ミンスン)元韓国外交部長官は「トランプ大統領がチェスを持ってくれば、こちらは将棋を持っていき実利を手にすべきだ」「分担金を全額韓国が負担し、韓米原子力協定を改正して少なくとも日本のようにウラン濃縮ができるようにしなければならない」と語る。現在韓国はウラン濃縮では20%未満の場合のみ米国との協議を経て可能になるが、これを米日原子力協定と同じく20%以上の濃縮も可能にすべきというのだ。
峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)院長は「第2次トランプ政権では在韓米軍を中国けん制用に見直すべきとの声が公然と語られている」「今回のパッケージ交渉を通じて与えるべきは与えたとしても、在韓米軍の存在理由が韓国防衛にある点は確実にくぎを刺すべきだ」と主張する。崔剛院長は「第2次トランプ政権との最初の交渉で防衛費の額だけに重点を置いてしまうと、大きな絵を描けなくなる」「単純な技術面での問題でアプローチするのではなく、東北アジアでの韓米同盟強化に焦点を合わせねばならない」とも指摘した。
ユン・ガンヒョン元調整官は「各部処(省庁)が各個撃破式に対米交渉を進めれば、トランプ政権が百戦百勝になるだろう」とした上で「第1次トランプ政権の時も韓国政府は防衛費をはじめ、米国によるイラン制裁免除問題などとも関連づけて米国の各担当省庁と合意の枠をつくったが、トランプ大統領が最後にこれらを揺るがし当惑した」と警告した。
米国のベッセント財務長官はCNBCテレビとのインタビューで「トランプ大統領は関税交渉などには直接関与するだろう」と発言した。米ホワイトハウスのレビット報道官も同じ日に「海外に駐留する米軍と海外援助は貿易交渉の一部になることもある」「トランプ大統領は交渉で各国の事情に合わせてアプローチを行うだろう」と述べた。
韓米両国は昨年10月、2026年からの5年間に韓国が負担する在韓米軍防衛費分担金交渉で妥結に至った。合計8回の交渉の末に26年の分担金総額は25年比8.3%増の1兆5192億ウォン(約1500億円)に決まった。これは韓国の国内総生産(GDP)の約0.06%に相当する。当時の韓国政府関係者は「分担金は米軍の人件費を除く在韓米軍駐留経費総額の約40%に相当する」と説明したが、計算方式を見直せば50%を上回るとの見方もある。ちなみに日本は70%ほどだという。
李河遠(イ・ハウォン)記者、盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者