虚偽計画書に虚偽報告…2023年韓国セマングム・ジャンボリーは最初からでたらめだった

韓国監査院、「セマングム・ジャンボリー問題」監査報告書

 国会は2018年、「セマングム世界ジャンボリー法」を制定してジャンボリー組織委員会を構成し、女性家族部に監督させた。このため、ジャンボリーの運営に関して専門性が高いスカウト連盟はほとんど関与できなくなった。女性家族部は組織委員会の事務総長に退職目前の公務員を就任させたが、この公務員は国際行事の経験がなかった。組織委員会の職員159人のうち、国際行事の経験がある職員は10人に過ぎなかった。

 組織委員会は猛暑対策の備品・食事・医療・防除・廃棄物処理・トイレ清掃などほとんど全ての分野において準備が不十分だった。猛暑警報が発令され、熱中症患者が殺到したのにもかかわらず、参加者には1日にミネラルウオーター1本しか支給されなかったが、これも組織委員会が「水道水を飲めばいい」と判断したためだった。食材保管棚は野ざらしでカビが生え、食材配送遅延で食事を欠く参加者も出た。2023年8月5日の政府会議で、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が「トイレの掃除ができていない所がある」と指摘すると、組織委員会事務総長は「それがどうかしたんですか?」と問い返した。

 女性家族部は組織委員会を支援するために部内に設置した「ジャンボリー支援団」のポストを閑職として扱い、6回の現場点検も、具体的な計画もなく現場を見回るだけだったという。当時の金賢淑(キム・ヒョンスク)女性家族長官らはジャンボリーの準備が完了していないということを知りながらも、開幕1週間前の国務会議(閣議)で「準備完了」と報告した。 このため、監査院は「他部処(省庁)の人材投入など政府レベルの補完対策を用意する事実上最後の機会を逃した」と指摘した。

 監査院は女性家族部と全羅北道に「機関注意」を与え、女性家族部・全羅北道・全羅北道教育庁に公務員5人を懲戒処分するよう言った。既に退職して懲戒処分が不可能な7人に対しては、後に公務員として再任用されないよう、不正内容を記録として残すことにした。ジャンボリー準備状況の虚偽報告などに関与した6人は懲戒処分とは別に捜査機関に引き渡し、捜査を受けさせることになった。女性家族部と全羅北道はそれぞれ「監査結果を謙虚に受け止める」とコメントした。

金耿必(キム・ギョンピル)記者

【写真】100億円使ってこのありさま…国内外から批判を浴びたセマングム会場

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