尹前大統領が乗った車は午後5時29分に自宅のあるソウル市江南区瑞草洞のアクロビスタ前に到着した。建物の前とロビーには500人以上の支持者と国民の力の尹相炫(ユン・サンヒョン)議員、金碩基(キム・ソッキ)議員、姜升圭(カン・スンギュ)議員、姜明求(カン・ミョング)議員、朴成訓(パク・ソンフン)議員、林鍾得(イム・ジョンドク)議員に加え、弁護団を務めた石東炫(ソク・ドンヒョン)弁護士、キム・ゲリ弁護士や韓国史講師のチョン・ハンギル氏らが集まっていた。車から降りた尹前大統領は支持者らと握手し、金建希夫人は花束を受け取った。尹前大統領夫妻は警護官の警護を受けながら自宅に入った。2022年11月7日に自宅から官邸に移って以来886日ぶり、罷免から一週間が過ぎていた。
尹前大統領夫妻は官邸で飼っていたペットの犬と11匹の猫を全て連れていた。ただし今回ペットの姿は見られなかった。
野党・共に民主党の趙承来(チョ・スンレ)首席報道官は「国民と国会、憲法により罷免された尹錫悦は最後まで一言の謝罪や反省もなかった。一見すると任期を全うし名誉の退任をする大統領に見えるだろう」とコメントした。国民の力は公式のコメントは出さなかった。ただし旧与党系の一部関係者からは「尹前大統領は政治的な影響力の行使を自制すべきだ」との声も聞こえてくる。国民の力のある関係者は「戒厳令後、弾劾の賛成反対で分裂した党内の混乱を何とか収めているところだ。大統領選挙に集中しなければ共に民主党に全ての権力を奪われかねない状況だ」「党内の政治家は『尹心』と距離を置くべきで、尹前大統領も当分は現実の政治から距離を置かねばならない」と指摘した。別の幹部も「尹前大統領との距離などとは関係なく、選挙局面での得失を戦略的に考えるべきだろう」と述べた。
金耿必(キム・ギョンピル)記者、イ・セヨン記者、キム・ドギュン記者、キム・ヘミン記者