尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は11日、ソウル市竜山区漢南洞の大統領官邸から瑞草区の自宅に戻ったが、自宅に到着すると隣人らに「全て勝って帰ってきたので、心配しないでください」と声を掛けていたことが13日までに分かった。尹前大統領は4月4日に憲法裁判所で罷免の決定が下されたが、12月3日の非常戒厳令は必然で、当然やるべきだったと改めて主張したとみられる。戒厳令の宣布を理由に罷免されたが、「共に民主党による立法暴走や連鎖弾劾などの横暴を国民に伝えることができた」と強調する意味合いだったとみられる。
【写真】季節外れの雪が降る光化門広場で弾劾無効を訴える市民たち(4月12日撮影)
尹前大統領は11日午後に自宅のある瑞草区の住商複合マンション「アクロビスタ」に到着し、入り口で隣人や支持者らとあいさつを交わした。この時の様子を撮影した動画を確認すると、尹前大統領はマンションに入る際「皆さんの元気な姿をまた見られて私もうれしい。ありがとう」と声をかけた。隣人の一人が「あまりにもつらい」と言うと、尹前大統領は「どうせ(大統領を)5年やっても、3年やっても」と答えた。「全て勝って帰ってきた」という尹前大統領の言葉はその際に出た。尹前大統領の妻の金建希(キム・ゴンヒ)夫人も隣人や支持者らとあいさつを交わした。金建希夫人はある子供に「何歳?」と語りかけた。これら一連の状況について共に民主党の趙承来(チョ・スンレ)首席スポークスマンは「国民により追放された尹錫悦が、成功し任期を全うして戻った大統領のごとく凱旋(がいせん)将軍のように振る舞った」と批判した。
尹前大統領は今後瑞草洞の自宅で刑事裁判などの対応に当たる予定だ。大統領警護法により大統領警護処は約40人のチームで警護に当たる。警護処による警護は最長で10年行われる。瑞草区の自宅は尹前大統領が2022年5月の大統領就任後も約6カ月とどまっていたため、現状で警護に問題はないという。ただし住商複合マンションの特性上、住民に迷惑がかかる懸念もあるとして、尹前大統領は近く別の場所に自宅を移すことも検討中だ。尹前大統領は漢南洞の官邸で飼っていたペットの犬や猫など合計11匹も自宅に連れ帰った。
梁昇植(ヤン・スンシク)記者