検察の主張に一つ一つ…ソウル中央地裁417号法廷に立った被告人・尹錫悦、刑事裁判初公判で計93分反論 

初公判で検察と6時間の攻防

 裁判の手続き的瑕疵(かし)も争点として浮上した。尹・前大統領側の韋賢碩(ウィ・ヒョンソク)弁護士は「内乱罪の捜査権がない高位公職者犯罪捜査処(公捜処)による違法な勾留があり、検察の起訴もまた違法に行われた」「起訴状には具体的な内容が出てきておらず、何を争うべきか分かりにくい」と語った。また「弁護人が証拠認否の手続きを終えてもいない状態で証人尋問をしたら、違法性が高い資料すら公判に顕出する状況が生じかねない」として、準備期日を再度開いてほしいと要請した。尹・前大統領も「起訴状と勾留令状を見ると、26年間の検事生活をしていて多くの人を勾留し、起訴した私でも、到底どういう内容なのか分からない。あまりに難渋」と発言した。尹・前大統領は裁判が進んでいる間、しばしば「一言だけ言いたい」と乗り出し、検察側の主張に反論した。

 尹・前大統領側は、非常戒厳の中心的関係者をまず証人として呼ぶべきだという意見も出した。韋弁護士は「法理的・効率的側面から、戒厳に関与したり被告人から直接指示を受けることができたりした証人から尋問を進めるのが適当だ」と主張した。尹・前大統領も「私と直接対話し、電話をした人々から証人尋問を聞いていって、次の段階で私と直接関連がない人々の尋問をすべきなのに、まさに(順序が)てんでばらばら」と指摘した。

 これに対し裁判部は「証人が既に来ている」とし、この日の証人尋問は予定通り進めるが、今後の期日での証人尋問手続きについては話し合いたいという立場を示した。検察側は「立証責任は検察にあるので、検察が提出した証人尋問計画が尊重されるべき」と述べつつも「弁護人側から意見が出たら傾聴し、必要な措置を取りたい」と表明した。

 午後の裁判では、検察側が申請した証人であるチョ・ソンヒョン首都防衛司令部第1警備団長とキム・ヒョンギ特殊戦司令部第1特戦大隊長に対する尋問が進められた。軍服姿で証言台に立ったチョ団長は「李鎮遇(イ・ジンウ)首都防衛司令官=当時=から『敷地内に入って国会外部の出入りを規制せよ』と聞いた」と証言し、キム大隊長は「イ・サンヒョン特戦司第1空輸旅団長に、国会の塀を越えて『議員を引っ張り出せ』という任務を受けた」と証言した。二人に対する尹・前大統領側の反対尋問など、今後の手続きは今月21日の裁判で再び行われることになった。

キム・ナヨン記者、パク・ヘヨン記者

【内乱罪】検察と尹前大統領の主張

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