尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領による「逮捕指示」疑惑を捜査するため、韓国警察が大統領室を家宅捜索しようと試みたが、10時間を超える対峙(たいじ)の末に引き揚げた。大統領警護処が家宅捜索令状の執行を許可しなかったことによる。
韓国警察の非常戒厳特別捜査団は16日午後8時40分ごろ、報道機関向けのお知らせを通して「大統領室および警護処から家宅捜索令状の執行不承諾事由書の提出を受けた」と伝えた。
その上で「警護処は、秘話フォン(盗聴防止機能付き携帯電話)のサーバーなど資料を任意提出の形式でできる限り提出することとし、任意提出の形式と手続きについては引き続き協議することとした」と付け加えた。
警護処は「軍事上・職務上の守秘義務のある場所・物件は責任者や公務所の承諾なしに押収・捜索できない」と定めた刑事訴訟法110条・111条を根拠に、今回の執行を承認しなかった。
先に警察は同日午前10時13分ごろ、大統領室と漢南洞公邸の出入り口で警護員らに家宅捜索令状を提示し、捜索を試みた。しかし大統領室と警護処が執行を許可せず、最終的に10時間半が経過した後、警察は引き下がった。
捜索・押収の対象は大統領室内の警護処秘話フォンサーバー、公邸内の警護処オフィスと警護処長公館にある文書などだ。警察は資料を確保して「尹大統領が警護処を通して、去る1月3日の高位公職者犯罪捜査処と警察による最初の逮捕の試みを阻止しようとした」疑惑を立証する計画だ。
警察は大統領執務室内の監視カメラ映像も確保し、李祥敏(イ・サンミン)元行政安全相が「報道機関の電気・水道を切れ」と指示した疑惑を究明しようしたが、最終的に失敗した。
ノ・ジャウン記者