「THAAD機密流出」の元韓国国防次官、退任後も反対派市民団体に情報提供を約束していた

検察の訴状に明記

 住民の反対が続いたことで、当時の李洛淵(イ・ナクヨン)首相は「(住民との)意思疎通も重要だが、政府による公権力行使が無気力に映ってはならない。反対団体の妨害にあいまいな態度を取るのは不適切だ」として「警察官や機動隊員の移動時期を予測できる発言や、事前に認知できる発言は禁止」と指示していたという。警察も「作戦の機密保持のため、工事再開日程を住民やメディアに事前に通知しない」と表明した。これを受け国防部は追加搬入作戦を前に反対団体に事前通知をしない方針を内部で決めたが、徐柱錫元次長はこれを無視し、関係する大領を通じて作戦情報を漏えいしていた。

 検察はさらに鄭義溶元室長と鄭景斗元長官が2020年5月29日、国防部地域協力班長にTHAAD基地の誘導弾などを交換する軍事作戦情報(軍事2級秘密)をTHAAD反対団体に伝えるよう指示した疑いもあるとみて、徐柱錫元次長と共に二人を起訴した。

 THAADは2017年4月に慶尚北道星州郡に臨時配備された。当初は略式手続きとなる小規模環境評価が行われる予定だったが、文在寅政権発足直後の17年7月に長時間を要する一般環境影響評価に変更された。その後、星州郡住民の反発により環境評価協議会の発足が遅れたため、関連する手続きもストップした。環境影響評価は尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権発足後の23年6月に終了した。

 検察は昨年11月に監査院から捜査要請を受理し、今年3月まで監査院、徐柱錫元次長の自宅とオフィス、大統領記録館などを家宅捜索した。

イ・ミンジュン記者、ユ・フィゴン記者

【写真】慶尚北道星州郡の基地に搬入される4基のTHAAD発射台

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  • ▲徐柱錫(ソ・ジュソク)元国家安保室第1次長/ニュース1
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