金洪熙・元海洋警察庁長、文在寅元大統領の親戚に自分のプロフィール書類を直接手渡していた【独自】

検察が金洪熙(キム・ホンヒ)元海洋警察庁長の訴状に明記

 船舶用エンジンメーカーから賄賂を受け取り、西海警備艇の必要な仕様を引き下げた容疑などで起訴された金洪熙(キム・ホンヒ)元海洋警察庁長(治安総監)が任命を受ける前、文在寅(ムン・ジェイン)元大統領の親戚にあたるイ某氏を訪ね、自らの人事用プロフィールを直接手渡していたことが23日までにわかった。金洪熙元庁長は青瓦台(韓国大統領府)から海洋警察庁長就任の内示を受けた直後にもイ某氏を訪ね、感謝の意向を伝えたという。

 韓国法務部(省に相当)が同日、国民の力所属の朱晋佑(チュ・ジヌ)議員事務所に提出した39頁分量の訴状によると、金洪熙元庁長が韓方医のイ某氏と最初に会ったのは南海地方海洋警察庁長在任中の2019年夏だった。金洪熙元庁長はイ某氏が文在寅元大統領と特別な関係であることと、海洋警察艦艇に装備を納品していた高校の後輩A氏もイ某氏と知り合いだったことも知った。イ某氏は文在寅元大統領とは中学と大学の同期生で、イ某氏の配偶者は文在寅元大統領の妻である金正淑(キム・ジョンスク)夫人のいとこだという。

 金洪熙元庁長が海洋警察庁次長(治安正監)に昇進すれば、海洋警察が発注する艦艇関連の落札にプラスになるとA氏は考え、イ某氏に金洪熙元庁長の昇進を後押しするよう要請したことが検察の捜査でわかった。また2019年8月の海洋警察法改正で海洋警察出身者しか庁長に就任できなくなり、当時は治安正監が金洪熙元庁長1人だけだったので、金洪熙元庁長も次の海洋警察庁長候補として名前が上がるようになった。金洪熙元庁長はこれをA氏に伝え、これを受けA氏は金洪熙元庁長が海洋警察次長ではなく海洋警察庁長に昇進できるよう要請したと検察はにらんでいる。

 A氏が要請した後の2019年末から2020年1月ごろ、金洪熙元庁長は午前7時30分にイ某氏の韓医院を訪ね、自らの人事プロフィールを1部手渡したことも捜査でわかった。その際に金洪熙元庁長はイ某氏に「昇進を後押ししてくれれば、(A氏が関係する)メーカーを支援する」という趣旨の考えを伝えたという。イ某氏は金洪熙元庁長からの昇進に向けた後押しの要請を受け入れ、その見返りにメーカーが艦艇関連の事業を落札した場合に売り上げの3%を受け取る約束をした。

 金洪熙元庁長は2020年3月に青瓦台(韓国大統領府)から海洋警察庁長就任が内部で決まったと連絡を受けた。金洪熙元庁長はその日にイ某氏を再び訪ね、感謝の言葉を伝えたという。

 ソウル中央地検刑事5部(部長、キム・テヒョン)は金洪熙元庁長と金品を受け取った現職の総警2人、A氏ら納品メーカーの関係者3人、イ某氏らブローカー2人を3日に起訴した。

 検察の関係者は「この事件は海洋警察のトップと業者の癒着にとどまらず、人事権者と特別な関係にあるブローカーを通じた昇進の要請、事業の受注、金品授受などが絡み合った高度な不正であり犯罪」と説明した。

イ・ミンジュン記者

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  • ▲金洪熙(キム・ホンヒ)元海洋警察庁長/news1

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