尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の弾劾審判で裁判長を務めた文炯培(ムン・ヒョンベ)前憲法裁判所長権限代行が「大統領と国会の間の対立は解決する方法がない」という文を個人ブログに残していたことが分かった。
この投稿文は憲法裁判所が4日に尹前大統領の弾劾を認めた1週間後に掲載されており、法曹界関係者の間からは「時期が巧妙だ」という声が上がっている。
法曹界関係者が24日に明らかにしたところによると、文炯培前代行は11日に自身のブログ「優しい人々のための法の話」に、『憲法の瞬間』という本の感想を掲載した。本の簡単な紹介と共に、印象深かった文章を抜粋する形での記載だった。
文炯培前代行は「兪鎮午(ユ・ジンオ)専門委員が大統領制で最も大きな問題として指摘している部分は、独裁の危険性ではありません。それよりも大統領と国会間の対立は生じやすいのに、その対立を解決する方法がないという点です」という本の一節を引用して書いた。
『憲法の瞬間』は韓国最大野党・共に民主党のシンクタンク「民主研究院」のパク・ヒョク研究員が1948年の制憲国会の会議録をもとに、初代国会議員が憲法をどのように作ったのかを追跡した本だ。この本は今年1月、文在寅(ムン・ジェイン)元大統領が運営する「平山書房」の推薦図書に選ばれている。
憲法裁判所は今月4日、尹前大統領の弾劾審判決定文で、「被請求人(尹前大統領)が、国会権限行使が権力乱用や国政マヒを招く行為だと判断したことは政治的に尊重されなければならない」としながらも、「被請求人と国会の間に発生した対立は一方の責任に属するとは見なしがたく、民主主義の原理により解消されるべき政治の問題だ」と判断した。
文炯培前代行は今月18日、6年間の憲法裁判官の任期を終えて退任した。
パク・ヘヨン記者