消費・投資・輸出の3大エンジンが止まった韓国経済、アジア通貨危機当時より深刻

 企業の景況感も回復の兆しを見せていない。韓国銀行が24日発表した4月の企業景気調査の結果によると、企業心理指数が87.9を記録した。同指数が100を上回れば、景気全般に対する企業心理が楽観的であることを示し、逆に100を下回れば悲観的であることを示す。同指数は2022年10月(98.6)となり、悲観局面に突入して以降、2年7カ月にわたって一度も100を超えていない。京畿道の始華工業団地にある市中銀行の支店関係者は「企業を訪問すれば、工場ビルには扉が固く閉まっており、人の気配が感じられないことが多い。企業の経営事情が困難なために利払い費用にさらに敏感になり、銀行の融資営業も難しくなった」と話した。

 それでも景気を支えてきた輸出も、第1四半期は不調に転じた。エヌビディアのAIアクセラレーター発煙問題で最新AIチップの発注が先送りされ、韓国企業の高スペックの半導体の輸出が予想より悪化した。対米輸出依存度の高い企業もため息だ。仁川商工会議所関係者は「自動車輸出全体のうち、米国向けが90%近い韓国GMの場合、工場が閉鎖されるのではないかという声が下請け企業の間から漏れてくるほどだ」と語った。

■政府支出まで減少

 景気減速局面で政府消費も同時に減ることは珍しい。消費が低迷し、投資が不振となれば、政府が財政投入で景気を浮揚するのが一般的だからだ。ところが、今年第1四半期には政府消費も前期比0.1%減となった。統計を取り始めた1960年第2四半期以降で民間消費、建設、設備投資、輸出に加え、政府消費を含む5部門が全て前期比でマイナスとなったのは今回が初めてだ。

 韓国政府が今年第1四半期の財政執行、公共機関による投資、民間投資の執行額を前年比で4兆2000億ウォン(約4200億円)増やし、戒厳以後、内需テコ入れのための早期執行を宣言したが、景気低迷を防ぐことはできなかった。韓銀関係者は「昨年下半期に児童・青少年の間で流行した百日咳などの伝染病が今年に入って沈静化し、政府消費と見なされる健康保険給付が減った影響もある」と話した。

 第1四半期の0.2%減という成長率は、韓銀の今年2月時点での予想値(0.2%増)を0.4ポイント下回る水準だ。今年の年間経済成長率も韓銀が予想した1.5%を大幅に下回ると予想される。

 明知大学のウ・ソクチン教授は「最近国際通貨基金(IMF)が経済見通しで、米国から145%の関税を課された中国の今年の成長率予想を0.6ポイント引き下げたが、韓国の成長率予想が1ポイント低下したことに注目すべきだ」とした上で、「事実上景気が『自由落下』しているので、政府は利用可能な資源を総動員すべきだ」と話した。

金正薫(キム・ジョンフン)記者、ユン・ソヨン記者、チェ・アリ記者

【表】日本の長期不況初期と似ている韓国

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