台湾総統はローマ教皇の葬儀に行けなかったのか、行かなかったのか

 台湾外交部は23日の記者会見では、総統の教皇葬儀欠席に関連して、記者の質問が殺到した。総統の欠席が中国の圧力を受けたためではなかったのかという質問には「時間が非常に切迫しており、十分に協議できなかった」と答えた。総統の出席が容易でなければ、前職ではなく現副総統を派遣すべきだという指摘も出た。中興大国家政策公共事務研究所の紀和均助教授は聯合報に対し、「総統が出席できない場合、現副総統に国家を代表されることが格式に合うと思う」と指摘した。

 台湾総統の教皇葬儀出席問題は緊迫する中台関係と関連して注目される。中華民国政府は台湾に移る前の1942年にバチカンと国交を結んで以来、これまで外交関係を保っている。一方、中国は台湾を政府と認めたという理由で、1951年にバチカンとの関係を断絶した。しかし、中国とバチカン関係が「雪解けモード」に入り、台湾とバチカンの関係にも微妙な変化が生じている。中国外交部も教皇フランシスコの死去に哀悼の意を表し、「バチカンとの関係改善を促進する意向がある」と表明した。中国の官製カトリック団体である「中国天主教愛国会」も公式哀悼メッセージを出した。

 中国のこうした動きを巡っては、中国とバチカンの関係が特に教皇フランシスコの在位期間に急速に改善したことが反映されていると分析がある。中国は2014年8月、教皇フランシスコが韓国を訪問する際、初めて教皇の中国領空通過を許可し、教皇は習近平国家主席と中国国民に祝福のメッセージを伝え、訪中の希望を表明して台湾を緊張させた。

 教皇フランシスコの在位期間にバチカンと中国間で長年の対立点だった司教任命権問題も解決された。2018年、双方は中国政府が独自に任命した司教をバチカンが承認し、中国は教皇を世界のカトリック教会の最高指導者と認定することで合意に達した。世界2位の人口大国である中国との接点を増やしたいバチカンは、台湾との関係の在り方に苦心せざるを得ない状況になった。

台北=リュ・ジェミン特派員

【写真】台北の教会に設けられたローマ教皇フランシスコの祭壇を訪れた頼清徳総統

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