中国軍艦艇が韓国の管轄海域に昨年は330回以上、今年は4月中旬の時点で100回以上侵入したという。ほぼ一日1回のペースで中国軍艦艇が韓国の管轄海域に入り込んでいたのだ。そのほとんどが韓国が設定した排他的経済水域(EEZ)と中国が主張するEEZが一部で重なる西海と南海だった。
韓国は両国の海岸から同じ距離の中間線を基準にEEZを設定している。これは常識的かつ合理的な考え方だが、中国は自国の領土がより広く、人口も多いので海域もそれだけ多く自分たちのものという無理な主張を続けている。中国軍艦艇が韓国のEEZ内はもちろん、領海から近い海域にまで入り込む事態もかつてはあったようだが、これは中国の無理な主張を既成事実化する意図があるはずだ。
中国は韓半島南西海域を事実上、中国の内海にするねらいを持っている。西海の9倍以上広く、複数の国々に囲まれた南シナ海にも突然「九段線」と呼ばれる境界を設定し、南シナ海の90%は自分たちの領海と主張するような国が中国だ。国際常設仲裁裁判所(PCA)は中国の主張について「根拠がない」との判決をすでに下しているが、中国は逆に「判決自体が違法」としてこれを受け入れようとしない。
こんな国である中国と対峙するには、韓国も同じやり方を取るしかない。中国軍艦艇が中間線を越え韓国の管轄海域に入り込んでくれば、韓国軍艦艇も直ちに中間線を越えて中国が管轄権を主張する海域に入るべきだ。これをしなければ中国はすでに南シナ海でしているような実効支配を強化してくるだろう。韓中両国の海洋境界確定問題が表面化して以来、韓国海軍はこのような対応を続けてきた。今後も同じ対応をさらに徹底して取り続けねばならない。
昨年以降、中国の軍用機が韓国の防空識別区域’(KADIZ)を侵犯するたびに、韓国軍は軍用機を中国の防空識別区域(CADIZ)に飛ばす対抗策を取っているという。海洋境界問題がくすぶる地域に一方的に防空識別区域を宣布し、自国の軍用機を飛ばすことも典型的な中国の手口だ。韓国も今後どれだけ時間が過ぎても同じ対応を取り続けねばならない。中国はこのように対応するしかない国だ。