被選挙権がないのに大統領になったらどうするつもりなのか【5月2日付社説】 共に民主・李在明候補の無罪破棄

 韓国大法院(最高裁判所に相当)全員合議体は1日、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補の公職選挙法違反容疑で無罪を宣告した二審を破棄し、審理を有罪の趣旨でソウル高裁に差戻した。ソウル高裁は大法院の判断の趣旨に従わねばならないため、李在明代表に対して有罪を宣告しなければならない。100万ウォン(約10万円)以上の罰金刑であれば、李在明候補は被選挙権がはく奪され大統領選挙に出馬できない。

【表】大統領選までの日程と李在明公選法違反事件裁判の流れ

 前回の大統領選挙の際、李在明候補は「(故キム・ムンギ城南都市開発公社処長と)海外でゴルフをしなかった」「国土交通部の脅迫でペクヒョン洞敷地の用途を上方修正した」などと発言したが、大法院はこれを虚偽と判断した。二審はこれらの発言について「主観的な認識」「意見の表明」として全て無罪としたが、大法院は「(二審は)法理を誤解して判決を出す過ちを犯した」として「(無罪宣告は)全て破棄すべきだ」との判決を下した。

 二審は李在明候補の発言について、それを聞く人の全体的な認識を考慮せず、言葉そのものを分け、分解して判決を下した。こんなやり方であればいかなる偽証も正当化でき、選挙法上の虚偽事実流布罪など必要がなくなる。言葉遊びと言わざるを得ない二審判決はまさに詭弁とも言うべきものだった。

 大法院は「選挙人(有権者)に与える全体的な印象を基準に発言の意味を解釈しなければならない」と指摘し、「選挙法上の『虚偽事実』は、もしそれが候補者の公職に就く適格性について有権者の判断を誤らせるほどであれば、十分にこれに相当する」と説明した。選挙において政治的表現の自由は認めるべきだが、うそは許されないということだ。あまりに常識的で合理的な判断だ。

 大法院長が裁判長を務める大法院全員合議体は韓国における最高の裁判部であり、その判決は下級審の判断を拘束する羈束力(きそくりょく)を持つ。今回李在明候補に対する具体的な量刑は示されなかったが、宣告された内容は李在明候補に対して懲役1年・執行猶予2年を宣告した一審判決と異なる点はない。この量刑が適用されるとすれば、李在明候補は法的手続きは残っているとはいえ、実質的には大統領選挙への出馬資格を法的に失ったも同然だ。

 最終判決が出るまでまだ時間がかかる可能性が高いため、李在明候補は今回の大法院判決にかかわらず大統領選挙に出馬するだろう。共に民主党はすでに大法院判決に反発し、これを無視する態度を示している。

 現時点で李在明候補は支持率が最も高いため、もし彼が明確な法的問題があるにもかかわらず出馬を強行し、実際に当選に至れば、韓国社会が大きな混乱に陥るのは避けられない。法律の定め通り選挙法裁判が一審6カ月、二審と三審がそれぞれ3カ月以内に終わっていれば、李在明候補は今出馬どころか政界にその名もなかっただろう。そのため多くの国民が李在明候補の法的な適格性、正当性を拒否するはずであり、誰がそれに異議を唱えられるだろうか。そうなれば李在明候補は大統領になっても職務をしっかりと遂行できないだろう。これは今後この国の5年間がかかった深刻な問題と言わざるを得ない。

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