インドネシアの集落で突然湧き出した水を巡り、これが病気を治してくれる「聖水」だといううわさが広まり、水をくんで持ち帰ろうとする住民たちの間で争いが発生していることが分かった。
インドネシア・メディア「NTBSATU」などによると、ジャワ島中部にあるペカロンガンで4月20日、道端で突然水が湧き出しているのを住民たちが発見し、驚いたという。住民たちはこの水が特別な性質を持つ「祝福を受けた水」だと信じ、争うように水のところに殺到した。
「この水を飲んだら足の痛みが完全に治った」と言う人が現れたため、住民たちはますますこの水の力を信じるようになったという。住民たちはさまざまな容器を持ってきて水をくもうとしたが、その際に住民同士で争う動画がSNS(交流サイト)で拡散され、この水はインドネシア全土で話題になった。
ところが地域当局が調査した結果、この湧き水は地下を通っている水道管が破裂したことによる漏水が原因だということが分かった。現地の警察は、破裂した水道管をすぐに修理して水の供給を正常化した。また、これ以上誤解が生じないよう住民に対して正しい情報を提供するよう努力している。
この騒動に、インドネシアのネットでは「人生があまりにもつらくて、異常なことは何でも祝福と考えられている」「浄化槽ではなく水道管の破裂だったのが不幸中の幸いだ」などと自虐混じりのコメントが相次いだ。一部では「集落では今も清潔な水を手に入れるのが困難なのだから、単に笑える出来事で済ませるのではなく、集落の水資源インフラを整備すべき」と苦言を呈する人もいた。
イ・ガヨン記者