都会の公園に全身の毛が抜けた動物、その正体とは /仁川

 仁川市延寿区の松島国際都市都心公園で、全身の毛が抜けた動物が相次いで発見されている。確認した結果、この動物はダニによる皮膚感染症「疥癬(かいせん)」に感染したタヌキであることが分かった。聯合ニュースが4月27日に報道した。

【写真】全身の毛が抜けたタヌキ

 報道によると、4月23日と24日午後、松島のある高校に近い水辺散策路で、全身の毛が抜けた動物が相次いで目撃され、カメラに捉えられたという。この動物は頭としっぽの一部を除いて毛がすべて抜けており、やせ細っていた。

 韓国国立生物資源館のソ・ムンホン環境研究士(研究職に携わる公務員)は写真を見て「疥癬に感染したタヌキだ」と説明した。疥癬にかかると通常、耳・脇・腹部・足から始まって体全体の毛が抜け、ひどいかゆみや表皮剥離、慢性皮膚炎などを引き起こす。

 ソ・ムンホン研究士は「かつて『未確認生物(UMA)』だと言われた『チュパカブラ』は、実際には疥癬に感染したコヨーテだった。タヌキも毛が抜けると他の生き物と誤認する場合が多い」と話す。その上で、「タヌキは集団で生活する動物なので、1匹が感染すると周りの他の個体も感染する可能性が高い。疥癬への感染は各個体と周辺の生息環境などが健康的でないことを示している」と説明した。

 忠北大学獣医学科のチョン・ドンヒョク教授も「緊密に接触するタヌキが集団でいれば、感染がかなり速いスピードで進行する可能性がある」としながらも、「人間など哺乳類も疥癬に感染する可能性があるが、直接的な接触がなければ拡散する恐れはない」と言った。

 これより以前から、松島都心公園にタヌキが頻繁に出没しているのを受け、仁川施設公団では「接近するとケガをする恐れがあるので、適切な距離を保ち、知らないふりをして通り過ごしてほしい」という内容の横断幕を掲げていた。

 管轄地方自治体の延寿区は、タヌキが従来の生息地である農耕地や山林地が開発されたため、都心公園などに来たと推定している。

 同区の関係者は「以前にも疥癬に感染したタヌキがいるという通報を受けて救助を試みたことがあった。救助できたら仁川市野生動物救助管理センターに送る方針だ」と話している。

チョン・アイム記者

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