金文洙(キム・ムンス)前雇用労働部(省に相当)長官が3日に国民の力第21代大統領選候補に選出されたことを受け、保守系候補者の一本化に向けた動きが本格化している。すでに予備候補として登録している無所属の韓悳洙(ハン・ドクス)前国務総理(首相)との候補者一本化の必要性を金文洙候補は何度も強調してきた。
金文洙候補は京畿道一山のKINTEXで同日開かれた国民の力党大会で、56.53%の得票率で韓東勲(ハン・ドンフン)前国民の力代表(43.47%)を抑え大統領選候補に選出された。
金文洙候補は候補者に選出された直後の演説で「反李在明(イ・ジェミョン)連帯の結束」を訴え「共に民主党の李在明勢力による政権獲得を阻止するためなら、いかなる勢力とも強い連帯を構築したい」との考えを示した。金文洙候補は共に民主党について「国会で大統領を引きずり下ろした上に、裁判所や憲法裁判所まで支配し三権分立を破壊している」「彼らが政権を握れば、恐ろしい独裁が始まるだろう」などとした上で「古い1987年体制を変革する憲法改正を推進したい」と訴えた。金文洙候補は憲法裁判所が尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領罷免の決定を下した直後、先月8日に雇用労働部長官を辞任し大統領選挙への挑戦を表明した。
国民の力は4日、金文洙候補が出席する会議で候補者一本化に向けた組織を立ち上げることを決めた。韓悳洙候補など与党系の陣営と候補者一本化に向けた交渉を迅速に進めたい考えだ。双方はまず実務協議を行い、金・韓両候補が直接対面することを決めたという。一部では一本化の時期などをめぐって交渉がもつれる可能性もささやかれているが、保守陣営全体ですでに「反李在明ビックテント」に向けた共感が形成されているため、候補者登録日(5月10−11日)前に交渉がまとまるとの見方も有力視されている。
金文洙候補は候補者に選出される前の先月27日の時点で「(韓悳洙前首相が出馬すれば)私が直ちに会いに行き迅速かつ公正な形で(候補者)一本化を実現させたい」と発言した。また候補者に選出された翌日の4日にも記者団の取材に応じ、「(一本化の時期について)あまり遅くならないようにすべきとの意見も多く出ており、この点は最大限考慮したい」との考えを示していた。
韓悳洙前首相陣営は3日に李良洙(イ・ヤンス)国民の力事務総長に連絡を取り「一本化に向けたルールなど、必要な全ての手続きは国民の力に一任したい」と伝えたという。韓悳洙前首相も4日にチャネルAのインタビューを受けた際「一本化に向けた交渉には何の条件もない。無条件で全て受け入れたい」との考えを示していた。
ヤン・ジヘ記者