最高裁の無罪破棄は「ハプニング」「第2の内乱」「司法クーデター」と主張する李在明候補と共に民主党【5月5日付社説】

 公職選挙法違反に問われた李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補に対して無罪を言い渡した二審判決を大法院(最高裁判所)が破棄し、ソウル高裁に差し戻すや、韓国最大野党・共に民主党は「第2の内乱」「司法クーデター」と攻撃を開始した。曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁判所長官)に対して同党の初当選議員らは弾劾訴追を主張し、党指導部からは「聴聞会・国政調査・特別検事(特別検察官)捜査を推進しよう」という話が出ている。同党は緊急議員総会で大法院長や高裁判事に対する弾劾問題を協議したが、結論は出せなかった。

【写真】済州島でミカンの形をしたサングラスを掛けて記念撮影する李在明候補

 李在明候補は「党が国民の意思に基づき処理する」と言ったが、今月4日には「内乱は収拾に向かいつつあるような気がしたが、また始まったんじゃないのか」と言っていた。今月1日の大法院判決直後は「あれ(大法院判決)は何でもない。つかの間のハプニング」「結局は国民の意思が最も重要だ」と述べた。大法院判決を「何でもないハプニング」と言ったのだ。

 無罪判決破棄・差し戻しという大法院判決以降、共に民主党は常識外の行動に走っている。経済副首相の弾劾案を国会に上程して経済官僚トップの空位という事態を招いただけでなく、被告人が大統領選挙に当選した場合は裁判を停止させる刑事訴訟法まで上程した。共に民主党を支持する団体は曺喜大・大法院長を高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に告発し、党は公捜処に捜査を即刻開始するよう求めている。同党は「なぜ大法院は大統領選挙直前に判決を下したのか」と批判しているが、裁判を引き延ばし、判決が出せないようにこれまで阻んできたのは他でもない李在明候補側だ。

 共に民主党は差し戻し審に対しても「違法な裁判で判事が弾劾される状況を作るな」と圧力を加えている。大統領選挙前に結論を出すなということだ。民主共和政を構成する立法府・司法府・行政府の三権分立を否定し、司法府を自分たちの下位機関にしようというのだ。

 共に民主党と李在明候補は約1カ月前に公職選挙法違反について二審が一審の懲役刑を覆して無罪判決を下した時、「真実と正義に根ざした判決だ」と言った。二審の無罪判決時に「正義と法治主義が生きていることを示す現れ」と言った議員は、今回の大法院判決に対しては「本当の犬のケンカ(醜い争い)を見せてやる」と言った。自分たちが望む判決は正義、不利な判決は内乱だということだ。

 共に民主党は30回を超える弾劾訴追で行政府と検察を無力化しようとした。憲法は弾劾の要件として「憲法・法律に違反した場合」と規定しているが、共に民主党は大法院長がどんな違憲・違法行為をしたのか説明できずにいる。立法権において絶対的な権力を振るっている共に民主党が行政権力まで握れば、どんな事態が起こるのかと懸念している国民は多い。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲韓国最大野党・共に民主党の朴賛大(パク・チャンデ)代表職務代行兼院内代表=前列中央=と議員たち。4日午後、ソウル・汝矣島の国会で開かれた緊急議員総会で、大法院(最高裁判所)を糾弾するシュプレヒコールを上げた。写真=news 1

right

あわせて読みたい