「被告人・李在明に無罪を宣告する裁判は続けてもよい」 王政国家をほうふつさせる共に民主党の刑事訴訟法改正案【5月9日付社説】

 共に民主党は国会法制司法委員会で「大統領当選時の裁判停止」を主な内容とする刑事訴訟法改正案を単独で可決した。「被告が大統領に当選した場合、裁判所は任期終了まで裁判を停止しなければならない」という内容だ。この改正案は李在明(イ・ジェミョン)候補ただ1人のための法律であり、近代民主国家の議会でこんな法律は一度たりとも成立したことはないだろう。

【表】李在明候補のための「防弾法案」

 しかも共に民主党はこの改正案に「無罪を宣告する予定であれば裁判を継続してもよい」との条項まで入れたという。「ただし被告の事件に対して無罪、免訴、刑の免除または公訴棄却の裁判を行うことが明白な場合はその限りではない」との内容だ。

 李在明候補に罪がないとの判決を下すのであれば裁判を続けてもよいが、そうでない場合はやるなというのだ。だとすれば裁判を開いた瞬間に無罪が確定したことになる。独立した裁判所や裁判官が法律と良心に基づき判決を下す民主法治国家では到底あり得ない法律だ。もしこの法律が実際に成立すれば、韓国はもはや民主国家とは言えず、ただ1人のための王朝のようなものだ。

 この改正案にはさらに「大統領候補として登録すれば開票終了まで裁判が停止する」との内容も加えられた。これも李在明候補のためだ。今後いかなる犯罪者も金さえあれば大統領候補者として登録し、開票終了まで裁判から逃れることができる。共に民主党議員らもこんな法律はおかしいと考えるはずだ。李在明候補当選を既成事実と考え、今の段階からおべっか、へつらいの競争を始めたとしか考えられない。

 李在明候補は「私は誰かを苦しめる時は幸福ではない」と述べ、政治報復はしないと何度も表明している。ところが共に民主党は曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁判所長官に相当)に対する特別検事を推進すると表明し、いったんこれを保留した。李在明候補に不利な判決を下せば判事が特別検事の捜査を受けかねないことを示したのだ。共に民主党が李在明候補のためにここまで無道な行いを続ける一方で、李在明候補は何も知らないそぶりで全国を回り政策遊説を続けている。

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