韓国最大野党・共に民主党は12日に予定されている李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補の配偶者・金恵京(キム・ヘギョン)夫人の「法人カード流用事件」(公職選挙法違反)を巡る二審判決を大統領選挙以降に先送りすべきだと主張した。李在明候補の裁判を大統領選挙後に延期するよう要求した同党が「金恵京夫人の裁判も先送りにせよ」と司法府に圧力を加えているのだ。
共に民主党の全賢姫(チョン・ヒョンヒ)最高委員は10日、交流サイト(SNS)「フェイスブック」に「裁判所は大統領選挙に影響を与えかねない金恵京夫人の二審判決は大統領選挙以降に延期しなければならない」「共に民主党は主権者の参政権を損なう行為を決して座視しない」と投稿した。その上で、「これ以上、政治検察と司法府の選挙介入により選挙運動の場が偏ってはならない」と述べた。
金恵京夫人は2021年、共に民主党の大統領選候補者を決める予備選の過程で、京畿道の法人カードにより食事の接待をしたとして起訴され、昨年11月の一審判決で罰金150万ウォン(現在のレートで約16万円)を言い渡された。金恵京夫人の二審判決日は先月14日の結審公判直後に決まっていたが、共に民主党は大統領選挙の正式な選挙運動が始まるとして突然、判決言い渡しを先送りするよう要求し始めたのだ。同党内では「選挙運動初日に不利な判決が出れば、(選挙)ムードに水を差す恐れがあるため」という声が上がっている。「判決延期」を求める声について、11日に全羅南道霊岩郡を訪れた李在明候補は「裁判所は法と常識に基づいてきちんと判断をすると信じている」と述べた。
そうした一方、共に民主党は検察に対し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の配偶者・金建希(キム・ゴンヒ)夫人については直ちに検察庁のフォトライン(報道写真撮影用の場所)に立たせるよう要求した。同党選挙対策委員会のキム・ハンナ広報担当は論評で、「検察は被疑者・金建希をフォトラインに立たせ、捜査するという意志を証明せよ」「徹底した捜査だけが政治検察の罪の代価を少しでも減らす方法だ」「検察に与えられた時間が多くないことを肝に銘じよ」と述べた。与党・国民の力は「共に民主党の行動は圧力の域を超え、ほぼ脅迫だと言ってもいいほどだ」と言っている。
パク・サンギ記者