新型コロナ患者7週連続増の台湾でマスク着用勧告、2週連続増の韓国も緊張

 台湾・中国・香港・タイなど、近隣諸国で新型コロナウイルス感染症が再び流行しており、韓国でも緊張が高まっている。外信各社が29日に報道した。

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 報道によると、台湾では新型コロナ患者がこの7週間連続で増えているという。今月18-24日に新型コロナによる台湾の救急診療患者は4万人を超えた。これは前週(1万9097人)の約2倍だ。台湾の防疫当局は「来月末から7月初めまでの間に新型コロナ患者が20万人近くになる可能性がある」として、人が大勢集まる場所ではマスクを着用するよう勧告した。

 香港は今年3月中旬に1.7%だった新型コロナ感染率(呼吸器患者のうち、新型コロナに感染した患者の割合)が今月初めに11.4%に達し、6倍以上に跳ね上がった。中国でも新型コロナ感染率が3月末の7.5%から今月初めには16.2%へと増加した。同期間に新型コロナで入院した患者数は2倍と急増した。

 世界保健機関(WHO)によると、今月11日現在、世界73カ国・地域で報告された新型コロナ検査陽性率は11%で、99カ国の報告で陽性率12%を記録した昨年7月以来の高い数値を記録したという。

 韓国でも最近、新型コロナ感染が増加傾向にある。韓国疾病管理庁によると、呼吸器疾患モニタリング病院・医院を通じ集計した新型コロナ検出率は、今月18-24日(2025年第21週)の1週間で8.8%となり、2週間連続で上昇している。海外では1月22日に初めてサンプルが収集されたオミクロン株系列の「NB.1.8.1」変異株が流行を主導している。症状はせき・喉の痛み・発熱・疲労感など、従来の変異株「NB.8.1」に似ている。

 新たな変異株の伝染性はやや強いが、危険性は以前より低いというのが一般的な見方だ。 高麗大学予防医学科のチョン・ジェフン教授は「新型コロナによる死亡者数増加の影響は制限的だ。新型コロナは既に風土病になった。基礎疾患がないか満65歳未満の健康な人には大きな脅威とはなりにくい」と話す。

 防疫当局は状況を注視している。保健福祉部(省に相当)は23日、朴敏守(パク・ミンス)第2次官の主宰で疾病管理庁・国立中央医療院と共に新型コロナ対応点検会議を開いた。新型コロナが大流行した昨年8月以来、9カ月ぶりの対策会議だ。疾病管理庁は「韓国の新型コロナ発生は全般的に安定した傾向を維持している」としながらも「海外での流行拡大が韓国への流入につながらないよう、警戒心を緩めずに防疫網を維持する方針だ」と述べた。

 しかし、市民の不安は高まっている。特に、景気が低迷している状況で、自営業者が新型コロナにより打撃を受けるのではないかと懸念している。自営業者が多いインターネット・コミュニティー・サイトには「新型コロナがまた流行したら、もう持ちこたえられない」などの投稿が多数寄せられている。京畿道でジム施設を運営しているキムさん(54)は「新型コロナ大流行期がやっと終わったのに、再流行で予防措置が強化されたら、ようやく息を吹き返した経営が直撃弾を受けるだろう」と語った。

 昨年のように、今年の夏に再び新型コロナの大きな流行が来るかもしれないという懸念も出ている。疾病管理庁によると、現在65歳以上の高齢者や免疫低下者など、新型コロナのハイリスク群のうち約47.4%に当たる約487万人が新型コロナワクチンを接種しているという。65歳未満は政府でワクチン接種の有無を集計していない。疾病管理庁は「ハイリスク群にはワクチン接種を勧告する。外出後に手を洗ったり、換気をこまめにしたりするなど、予防ガイドラインの順守が必要だ」と話している。

郭来乾(クァク・レゴン)記者

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