タイの観光地パタヤで、観光客がトランスジェンダー女性の性別を確認しようと性器を触ったところ、怒った女性に暴行されるという事件があった。
バンコク・ポストなどが1日、報じた。それによると、事件があったのは5月31日夜で、トランスジェンダーの女性(29)がスリランカからやってきた男性観光客(54)の頭をハイヒールで何度も殴ったという。
通報を受けて現場に出動した警察とサワンボリブル財団の救急隊は、パタヤビーチ沿いの道路上で男性が頭から血を流しているのを発見した。男性は現場で救急隊の治療を受け、その後事情聴取を受けるためにトランスジェンダー女性と共に近くの警察署に移送された。
女性によると、先に男性が女性に近づき、女性は性的サービスの価格を提示した。すると男性は「生物学的な女性」なのかどうかを確認したいとして「性器を触らせてくれ」と言ったという。
女性は「そう言われたので一度だけ触らせた。ところが男性はお金を払わずに再び触ってきた」「そのため腹が立って言い争いになった」と供述した。さらに「男性のシャツの袖をつかんだところ、男性は私のシャツをつかんで引っ張った。胸を引っかかれて痕ができたので、怒ってハイヒールで男性の頭を4-5回殴った」と説明した。
男性は警察に「女性の性別を確認したかっただけで、『親密な接触』の後に(生物学的女性なのかどうか)確信が持てず(有料の性的サービスを)受けないことにした」と話した。さらに「私はサービスをキャンセルしてその場を立ち去っただけなのに、女性が私のシャツを後ろから引っ張り、ハイヒールで暴行を加えた」と悔しさを訴えた。
風俗産業で有名なパタヤでは、暴行事件がたびたび発生する。4月30日深夜には、ハンガリー国籍の男性(53)がパタヤのバーの前でレディーボーイ(男性から女性に性転換した人と、性転換手術を受けていない女装の男性を包括的に呼ぶ言葉)とその友人から集団で暴行される事件があった。
このハンガリー人観光客はバーで酒と大麻、さらに接客するレディーボーイの料金合わせて1570バーツ(約7000円)分を頼んでおきながら、スマートフォンのアプリで決済がうまくいかないと言って支払いを拒否していたことが分かった。このときの言い争いが小競り合いに発展し、男性はハイヒールで頭などを殴られて病院に搬送された。
チョン・アイム記者