ワールドツアーで稼ぎまくるK-POPアイドルグループ、アルバム売れなくても業績急上昇

K-POPの新たな成長原動力は「海外公演」

■今年下半期も海外公演に多数

 今年下半期も韓国のエンターテインメント企業は海外公演でさらに稼ぐものとみられている。HYBEのイ・ジェサン最高経営責任者(CEO)は1-3月期実績カンファレンス・コールで、「現在発表されているものだけで約150公演が予定されており、下半期の追加公演まで入れれば規模・観客数ともに拡大するだろう」と述べた。

 海外公演の実績が他に比べ振るわなかったJYPも、今年の残り期間は公演部門に注力し、TWICE(トゥワイス)、Stray Kids(ストレイキッズ)など主要アイドルグループの大規模なツアーが予定されている。韓国の証券会社のハナ証券は「昨年の年間ツアー観客数が210万人だったStray Kidsは、日本・北米・南米でのスタジアム公演など、4-6月期のツアーだけでも140万人を集めるだろう」と分析した。6月中にBTSのいわゆる「軍白期」(メンバーの兵役による芸能活動空白期)終了、7月のBLACKPINK(ブラックピンク)のワールドツアーや新曲リリースなどの活動再開も、今年下半期のK-POP界全体のムードを盛り上げるものとみられる。

■アルバムもワールドツアー日程に合わせて発売

 所属アイドルグループたちのアルバム発売戦略も、これまで音楽番組に合わせて1-2曲を短い間隔でリリースする「シングルカット」ではなく、大規模ワールドツアーの日程に合わせた「ミニアルバム」や「フルアルバム」の方向へと切り替えつつある。ワールドツアー・ミュージシャンであるHYBE(所属事務所がHYBE LABELS傘下)のSEVENTEENと、JYPのTWICEは、今年デビュー10周年のフルアルバム発売と大規模ワールドツアーの同時進行を予告している。評論家のキム・ドホン氏は「2時間前後のコンサートを行い、ワールドツアーの象徴性も際立たせるためには、充実したアルバムが必要だ」と話す。音楽専門データ・ジャーナリストのキム・ジンウ氏は「ワールドツアー期間が長くなるにつれ、ツアー途中にミニアルバムを出し、ツアー終了後にフルアルバムを出す戦略も目立ってきた」と語った。

 新人アイドルグループがデビューしてからワールドツアーを行うまでの時期も大幅に短縮されている。SM所属の男性アイドルグループRIIZE(ライズ)は今年5月、デビューから1年半で1stフルアルバムを発売し、初のワールドツアー日程を発表した。先輩グループのaespaがデビューから約4年後の昨年、1stフルアルバムを出したのに比べると、非常にスピーディーだ。YGのガールズグループBABYMONSTER(ベイビーモンスター)はデビュー9カ月目の今年1月に米国・日本などの海外20都市で初ワールドツアーに突入した。評論家のチョン・ドクヒョン氏は「最近のK-POP新人アイドルグループたちはさまざまな自主動画コンテンツを通じてデビュー前から相当数のファンを確保している。観客動員力さえ検証できていれば、デビューしてすぐでもワールドツアーが可能だ」と分析した。

ユン・スジョン記者

【写真】10カ月間で18カ国 今年3月にワールドツアーを終えたガールズグループaespa

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