韓国合同参謀本部は「今日、北朝鮮による韓国向け騒音放送が聞こえた地域はない」と12日に発表した。李在明(イ・ジェミョン)大統領の指示を受けて、韓国軍が北朝鮮向け宣伝放送を11日午後2時に全面中断したが、北朝鮮もこれに応じたものとの見方が出ている。
韓国合同参謀本部によると、北朝鮮の韓国向け騒音放送は西部戦線の一部地域で11日夜まで聞こえていたが、その後は聞こえていないという。北朝鮮の韓国向け騒音放送はこれまで、地域ごとに放送内容や運用時間帯が異なっていた。ところが、12日からは境界線地帯全域で北朝鮮による韓国向け騒音放送が聞こえていないということだ。
韓国側は、北朝鮮のさまざまな挑発行為に対抗し、昨年6月から北朝鮮向け宣伝放送の運用を再開した。北朝鮮も昨年7月から韓国向け騒音放送を始めていた。だが、これで約1年間続いた双方の拡声器による放送が全面中断となったものだ。
李大統領は12日、交流サイト(SNS)を通じ「11日午後2時付で、韓国軍が前方地域で行っていた北朝鮮向け宣伝放送を中断するよう指示した」「北朝鮮の騒音放送で長い間困難な状況にあった地域住民の苦痛を和らげるためだ」と説明した。その上で「今回の措置により、南北の軍事的緊張が緩和し、互いに対する信頼を再び築いていけるよう期待する」と述べた。
ヤン・ジホ記者