■対応範囲の外から長距離巡航ミサイルを発射
中国は最近、第6世代戦闘機のJ36、J50などの試験飛行場面をソーシャルメディアを通して流し、米国と対等な軍備競争をしているかのように宣伝戦に熱を入れています。J20ステルス戦闘機も数百機を実戦配備しました。ところが最新装備とミサイルで武装したB52Hを攻撃することは容易ではない、といいます。
B52Hに搭載されたAGM86B ALCMは最大射程が2400キロに達し、中国の戦闘機の攻撃範囲外から発射されます。グアムやディエゴガルシア島などから発進し、2000キロ離れた場所から攻撃するのです。B52Hは電子戦能力に優れており、捕捉も容易ではないといいます。加えて、核ミサイルと通常型のミサイルをどちらも搭載することができるので、どんなミサイルを発射したのか把握するのも難しいとのことです。
冷戦時代に旧ソ連を意識して開発されたB52は、1955年の実戦配備以降、ベトナム戦争・湾岸戦争など数多くの戦争で恐るべき威力を立証しました。米国は、B52Hのエンジンを換装して2050年まで使い続けるそうです。
■中国艦艇打撃用のトマホークも実戦配備
米国は対艦用の新型トマホーク・ミサイル(Maritime Strike Tomahawk/MST)も開発し、今年9月末までに米海軍の駆逐艦に配備する-とブルームバーグ通信が5月31日付で報じました。1983年に実戦配備されたトマホーク巡航ミサイルは、陸上目標を攻撃する艦対地ミサイルとして開発され、湾岸戦争などで威力を発揮しました。
新型ミサイルMSTは、海上を移動する艦艇を攻撃するための対艦ミサイルに改造したもので、中国の急増する海軍力に対応することが目的だと同通信は伝えました。来年には原子力潜水艦にも配備するといいます。射程が1600キロあり、台湾海峡を渡る中国艦隊を遠距離からこのミサイルでたたこうというわけです。
中国は、軍事的に米国に追いつくため、極超音速ミサイルなど先端技術の開発に執着しています。逆に米国は、既に実戦で検証された冷戦時代の武器を、さらに性能改善することで対応しています。それでも、緊張しているのは中国の方ですね。中国のある軍事ブロガーは「冷戦時代の遺産で21世紀型の心理戦を繰り広げている」と記しました。
崔有植(チェ・ユシク)記者