「10人から1億4000万ウォン」借りていた次期首相候補・金民錫、疑惑報道の翌日に全額返済か【独自】

　金民錫（キム・ミンソク）首相候補者が以前、違法政治資金の提供者カン氏に4000万ウォン（約420万円）など、10人から1億4000万ウォンを借りていたことが問題になっているが、そうした中で一部の債務者がカン氏の紹介により金民錫候補者に金を貸していたことが確認された。

【写真】「金民錫候補者の息子は高校時代に共同著者の経歴」　ニュースを伝えるTV朝鮮の報道画面

　金民錫候補者の人事聴聞要請書によると、同候補者は2018年4月5日に9人から1000万ウォンずつ、計9000万ウォンを借りて同じ内容の借用証を書いていたという。

　TV朝鮮が取材した結果、金民錫候補者に同日、1000万ウォンを貸した9人のうち、1人は金民錫候補者に違法政治資金を提供したカン氏の会社の社員イ氏だったことが分かった。

　イ氏はTV朝鮮の電話取材に「カン氏の会社で働いていたので、そうした縁で金民錫候補者を紹介され、1000万ウォン貸すことになった」「金民錫候補者は国会議員を2期務めた有名な人なので、信じて貸すことにした」と語った。

　全北特別自治道井邑市在住のイ氏は「借用証を作成した時、カン氏も一緒にいた。金民錫候補者が井邑市に来て作成した」と言った。

　利子の支払いや債務償還の可否について、イ氏は「2018年から最近まで、金民錫候補者は利子はきちんと払ってくれたので、元金償還に対する要請はしたことがない」「今月12日に金民錫候補者が元金1000万ウォンを口座に入金してくれた」と、償還が完了したと説明した。これは、私的債務に関する内容が報道された翌日のことだ。

　私的債務関連疑惑が取り沙汰されると、金民錫候補者は13日、交流サイト（SNS）「フェイスブック」を通じ、「税金の納付に使った。これまでの罰金・税金・追徴金など公的債務をまず返済しようと、償還満期を延長している状態だった」「融資を受けて全額償還した」と述べた。ただし、融資の返済時期と対象については明らかにしなかった。

　ただし、イ氏は「カン氏以外の債務者が誰なのかは知らない」と言った。イ氏の説明通りならば、金民錫候補者は2018年4月5日に債務者9人に会って借用証を自ら作成し、今回、首相候補者となって人事聴聞が行われるに当たり私的債務が問題になるや、最近になってこれを全て返したものと推定される。

　イ氏に金民錫候補者を紹介したカン氏は、同候補者に米国留学時の生活費など過去に2億5000万ウォンの違法政治資金を渡した人物だ。カン氏は金民錫候補者と共に2014年に院外民主党（新政治民主連合の結党で消えた『民主党』を継承するとしていたが、国会議員を輩出できなかったため『院外民主党』と呼ばれた）を立ち上げ、先の大統領選挙では民主党体育特委委員長として活動した。

　TV朝鮮はカン氏に対し、別の債務者との関係などを尋ねるために数回接触したが、連絡がつかなかった。

イ・チェリム記者