検察総長を犯罪者扱いし始めた共に民主党、なぜこんなに暴力的なのか【6月17日付社説】

検察総長を犯罪者扱いし始めた共に民主党、なぜこんなに暴力的なのか【6月17日付社説】

 進歩(革新)系の与党「共に民主党」が16日、沈雨廷(シム・ウジョン)検察総長(検事総長に相当)を職務遺棄容疑などで高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に告発した。非常戒厳関連の内乱罪捜査に消極的だったという趣旨だ。民主党議員は「内乱特別検察官が検察・法務部(省に相当、以下同じ)・非常戒厳特別捜査本部における(内乱罪関連の)初期捜査の過程まで調べる必要がある」と主張した。現行法上、内乱罪の捜査権は警察にある。戒厳直後に検察と公捜処が争って捜査に乗り出したのに検察が抜けたのは、捜査権論争のせいだった。内乱罪捜査の「権限」に法的な疑問があるのに職務遺棄が成立するのか。厳密に言えば、当時の検察の捜査自体が過剰だった。それなのに民主党は、検察が「見逃してやった」という。

【写真】共に民主党から告発された沈雨廷・検察総長

 民主党は先月、沈総長が戒厳と内乱に加担したとして弾劾訴追案を発議した。このときは「沈総長が昨年10月に秘話フォン(盗聴防止機能付き携帯電話)で当時の民情首席と電話した」というメディアの報道を根拠に「特別検察官による捜査が必要」とした。政治ブローカーのミョン・テギュン氏に対する捜査や金建希(キム・ゴンヒ)前大統領夫人の株価操作事件でも「内通したのだろう」と主張した。沈総長は「検察の事件と関連して電話した事実はない」と語った。民主党は、沈総長の娘が外交部の研究員ポストに特別に採用されたという疑惑についても、17日に公捜処への告発をする予定だ。市民団体が既に公捜処に告発したのに、また告発するというのだ。任期が1年以上残っている沈総長に、全方位から揺さぶりをかけている。

 民主党の一部議員は最近、検察庁を廃止して捜査権は重大犯罪捜査庁(重捜庁)に、起訴権は公訴庁に移す法案を発議した。国家捜査委員会を新設し、警察・公捜処・重捜庁など全ての捜査機関をコントロールするという内容も置いた。検察総長だけが持っていた検事の懲戒請求権を法相にも付与する検事懲戒法改正案は既に発効した。国の捜査システムの骨幹を民主党の思い通りに変える上で、前政権が任命した検察総長は邪魔に感じられたのだろう。

 総長任期制が導入された1988年以降に就任した24人のうち、任期を全うしたのは9人だけだ。とりわけ、政権が変わると総長も変わったりしたものだが、ほとんどは自ら去就を決定した。今のように、現職の総長を犯罪者扱いして追い払ったことはなかった。民主党は立法・司法・行政を全て掌握することになっているのに、なぜこんなに性急かつ暴力的にやらなければならないのか。

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