有権者に李在明マーク済み投票用紙を配布して「自作自演」と告発した選管「偶発的な出来事」 韓国大統領選

警察の捜査の結果、投票事務員のミスと発覚
選管「偶発的な出来事」だとして遺憾の意を表明

有権者に李在明マーク済み投票用紙を配布して「自作自演」と告発した選管「偶発的な出来事」 韓国大統領選

 第21代韓国大統領選挙で、有権者が受け取った投票用紙を中に入れ、投票するための封筒に、既に記入された状態の投票用紙が入っていた件に関して、警察では「選挙管理委員会の投票事務員のミスにより発生したものだ」という捜査結果を18日に発表した。韓国中央選挙管理委員会は当時、「有権者の自作自演が疑われる」として警察に捜査を依頼していた。このため、「選管は性急にも有権者を自作自演の容疑者にした」と批判の声が上がっている。

【写真】李在明マーク済み投票用紙が選管印を押されて無効処理される様子

 警察によると、先月30日、京畿道竜仁市内のある期日前投票所で、20代の住民Aさんが「配付された封筒の中に、李在明(イ・ジェミョン)候補と既に記入済みの投票用紙が入っている」と112番(総合緊急通報番号)通報した。中央選挙管理委員会は当時、担当記者団らに「Aさんは投票所で混乱をあおる目的で自作自演をしたと疑われる。捜査を依頼する」とモバイル(携帯電話)メッセージを送った。

 ところが、今月18日に発表された警察の捜査結果は、選管の主張とは異なっていた。警察が防犯カメラ映像などを分析したところ、投票事務員が当時、Aさんのすぐ前に投票したBさんに投票用紙1枚と封筒2枚を配布していたことが分かった。Bさんは李在明候補と記入した後、封筒2枚のうち1枚を事務員に返却した。警察は「この時、Bさんが返却した封筒の中に李在明候補と記入した投票用紙が入っていたが、事務員はこれを十分確認せずにAさんにそのまま配布したと推定される」と説明した。その上で「BさんとAさんの間に別の投票者はいなかった。二人も互いに接点がないことが確認された」「明らかに事務員のミスと判断される」「検察と協議し、事件を迅速に終結させる方針だ」と述べた。

 中央選管は同日発表した見解文で「記入された投票用紙が封筒に入ったまま有権者に交付されたのは、投票事務員の単純なミスと選挙人の勘違いが結び付いて発生した偶発的な出来事だと判断される」とした上で「当時、不正選挙主張団体などから多数の投票妨害行為があり、投票所での混乱が多かったため、明確な事実関係を確認するため迅速に捜査依頼したものだ」「Aさんを疑ったことに対しては遺憾の意を表する」と述べた。

 これについて、法曹関係者の間では「選管がミスをしておきながら、有権者のせいにした」と指摘する声が上がっている。チョ・ヒョンサム弁護士は「Aさんの立場としては名誉毀損(きそん)の被害を主張する余地がある」と述べた。AさんとBさんの投票はどちらも無効処理された。

竜仁=キム・ヒョンス記者

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