2022年から施行された「公職者の利害衝突防止法」は、公職者本人はもちろん、夫や直系家族が職務に関連する経済活動をする場合、事前に申告したり職務を回避したりしなければならないと規定している。特に、職務上得た情報を利用して家族が利益を得た場合、刑事処罰または過料賦課の対象になる。公職者倫理法も利害衝突が懸念される企業の株評価額が3000万ウォン(約320万円)を超えた場合、2カ月以内に売却したり白紙委任信託したりしなければならない。
鄭銀敬元庁長は当時、国家防疫政策の方向性に関して総括していた責任者であり、マスク・検査キットは当時の国民生活に直結する品薄品目だった。このため、該当情報を手に入れやすい地位にいた人物が、夫名義で関連株を購入して利益を得たということ自体が法の趣旨に真っ向から反するとの指摘がある。
事実、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権で初の疾病管理庁長を務めた白敬蘭(ペク・ギョンラン)前庁長も同様の問題が浮上し、就任7カ月後に辞任した。白敬蘭・前庁長は夫が保有している一部バイオ関連銘柄を職務関連性の通知直後に売却したが、本人名義でもSKバイオサイエンス株やシンテカバイオ株などを保有して批判された。また、実弟が新型コロナ検査キット生産業者の社外取締役に応募した際、「姉は疾病管理庁長だ」と履歴書に書いていたことが明らかになり、世論が急激に悪化した。
ヨム・ヒョナ記者