李在明大統領NATO会議出席見送りに米専門家ら「中・ロに誤ったシグナル送る恐れ」

米ワシントンで外交・安全保障専門家6人にインタビュー

 ブルッキングス研究所のアンドルー・ヨー・シニアフェローは「NATOに対するトランプ大統領の低い評価、ウクライナの未来(支援するかどうかなど)を巡る意見の違いなどがNATOとIP4の協力水準に影響を及ぼしている」とし「(欧州とインド・太平洋地域間の)安全保障協力が鈍っており、トランプ政権の外交政策による不確実性が増大しつつある状況で、韓国は同盟との協力・情報共有を加速化すべきというのが個人的な考え」と語った。マックスウェル副会長は、NATO加盟国の大部分が有事の際の韓国防衛に決定的な役割を果たす国連軍司令部構成国であることにも言及しつつ「戦略的不確実性が、究極的には韓国の安全保障をも脅かしかねない」と述べた。米情報当局の北朝鮮アナリストを務めた経歴を持つシドニー・サイラーCSISシニアアドバイザーも「韓国がNATOサミットに出席することは、国際舞台においてより大きな役割を遂行し、特に国連軍司令部構成国を含む欧州からより大きな防衛の約束を受ける機会と考えられてきた」としつつ「グローバルな議題や影響力を拡大しようとする努力のプライオリティー(優先順位)を下げた、というシグナルとして解釈されかねない」と指摘した。韓国政府の安全保障のトップを務める魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は尹錫悦政権の「グローバル中枢国家(GPS)」構想に批判的で、李大統領もまた尹錫悦政権で政府開発援助(ODA)予算が大幅に増えたことについて否定的な認識を披歴したことがある。

 ブッシュ政権でホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)補佐官を務めた、オーストラリア・シドニー大学合衆国学センターのマイケル・グリーン所長(CEO=最高経営責任者)は「新政権においてまだ準備が整っていない状況だということもあり得る」としつつ「韓国を民主陣営から外れさせて非同盟国家(non-aligned country)のように行動させようとする、李大統領の取り巻きグループの一部の声が反映されたのかもしれないという点が懸念される」と語った。ハドソン研究所のパトリック・クローニン・アジア太平洋安全保障部長は「トランプ大統領がNATOに対して条件付き支持だけを行い、ハーグ滞在は短時間にしようとしている事実が、李大統領にも訪問取り消しをさせることとなった」「それでも李大統領は、IP4とNATOの協力を進展させるイニシアチブを通して『ソウル(韓国)は積極的に参加するつもりだ』というシグナルを送るべき」と述べた。

 韓半島の専門家らの間からは、16日・17日にカナダで行われた先進7カ国(G7)首脳会議で李大統領とトランプ大統領の会談が不発になったのに続き、今回も初顔合わせが実現しなかったことを懸念する声も上がった。チャ部長は「私が理解するところでは、欧州現地で2者会談を準備するプロセスは深く進んでいた」「自動車の輸出が前年比で20%も落ちており、関税交渉のためのトランプ大統領との会談は、現在の韓国にとって最も重要な優先事項。交渉締め切りの期限が迫っているにもかかわらず、この問題は解決しなかった」と語った、こうした中、22日に米国入りした産業通商資源部(省に相当)の新任の呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長は、トランプ大統領が国別に設定した相互関税の猶予期間が延長される可能性について「予断は困難」としつつ「私も23日に初めて閣僚級ミーティングをするので、あらゆる可能性を開いておいている」と語った。

ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)特派員

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  • ▲2023年にリトアニアのビリニュスで開かれたNATOサミットで、NATOパートナー国「インド・太平洋4カ国(IP4)」の一員として、当時の尹錫悦・韓国大統領(左から2人目)、アンソニー・アルバニージー豪首相(左端)、岸田文雄首相(左から3人目)、クリス・ヒプキンス・ニュージーランド首相が手をつないで記念撮影をしている様子。/写真=聯合ニュース

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