尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領などの内乱・外患容疑を捜査する趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官(特検)が24日、尹・前大統領に対する逮捕状を請求した。今年3月8日に裁判所の勾留取り消し決定で尹・前大統領が釈放されてから108日ぶりだ。
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内乱特検チームの関係者はこの日、「(尹・前大統領は)警察の出頭要求に2回にわたって応じず、特検が捜査を開始した後も警察の出頭要求に応じなかった。召喚に応じない意志を明確に示した」とし「23日に事件を引き継いだ特検は、事件の連続性を考慮して逮捕状を請求した」と明かした。特検は今月18日に捜査を始めたが、尹・前大統領が翌19日の警察の召喚にも応じなかったことから、今後特検の召喚にも応じるつもりはないという意味だと判断したのだ。
尹・前大統領には、今年1月に高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の逮捕状執行を妨害した容疑や戒厳後に秘話フォン(盗聴防止機能付き携帯電話)のサーバー内の情報の削除を指示した容疑などがかけられている。令状請求のニュースに、尹・前大統領側は「特検がただの一度も召喚通知をせずに奇襲的な逮捕状請求をした」と反発した。
■尹・前大統領の逮捕状発布、早ければ25日に決定
尹・前大統領の逮捕状は、内乱特検チームが警察から事件を引き継いでからわずか1日で請求された。尹・前大統領側に対しては、特に召喚取り調べの通知も行わなかったという。異例のことで、捜査をスピードアップさせている様子だ。
裁判所が逮捕状を発布するかどうかは、早ければ25日に決まるものとみられる。先に公捜処と警察の特捜団などで構成された共助捜査本部が、昨年12月30日に尹・前大統領に対する逮捕状を請求したときは、裁判所が翌日に令状を発布した。
特検チームの広報業務を担当するパク・チヨン特検補はこの日、メディア向けのブリーフィングで「きょう(24日)午後5時50分ごろ、尹・前大統領に対する逮捕状をソウル中央地検に請求した」「令状が発布されたら、執行の時期もすぐにお知らせしたい」と発表した。
パク特検補は「特検は捜査期間に限りがあり、尹・前大統領は複数いる被疑者のうちの一人に過ぎない」「法は貴きに阿(おもね)らず。ひっかき回されることはないだろう」と述べたが、しかし尹・前大統領側は「特検側と一定の調整を経て取り調べに応じる計画だった」「特検が、発足するなりすぐに逮捕状を請求したのは不当」という立場だ。
尹・前大統領側は今月12日、警察による2回目の召喚通知に応じず、「容疑が成立していない」という趣旨の意見書を提出した。内乱罪の捜査権限がない公捜処の逮捕状執行は違法なのでこれを拒否することは罪にならない、という立場だ。こうした理由で尹・前大統領が警察の3回の召喚通知に応じなかったことから、法曹界では「事件を引き継いだ特検が身柄確保に乗り出すことになるだろう」という見方が出ていた。
キム・ヒレ記者、イ・ミンジュン記者